セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

261 HCV高感染地区におけるアンケート調査結果から見たHCV抗体陽性者のC型慢性肝炎の理解度

演者 熊谷公太郎(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学)
共同演者 宇都浩文(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 玉井努(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 重信秀峰(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 森内昭博(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 長谷川将(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 桶谷真(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 井戸章雄(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 永田賢治(宮崎大学消化器血液学分野), 林克裕(宮崎大学消化器血液学分野), 坪内博仁(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学)
抄録 【背景・目的】わが国にはC型慢性肝炎患者が100万人以上存在すると推測されておりインターフェロン(IFN)治療が認可された1992年以降ウイルス消失も得られるようになった.しかしC型慢性肝炎に対するIFN治療の受療率は高くなく特に高齢者のC型慢性肝炎患者では現在の病状や治療法に対する理解が乏しい患者も存在する.本研究ではHCV高感染地区のHCV抗体陽性者にアンケート調査を行い病気の理解度現在の治療法の現状を把握することを目的とした.【対象と方法】HCV高感染地区住民検診においてHCV抗体陽性者のうちA群:HCV-RNA陽性333名B群:且CV-RNA陰性145名の2群を対象とした.筆記にてアンケート調査を行い合併症病識現在の治療内容について検討した.【結果】一群の年齢性に差はなかった.合併症については高血圧・心臓病が最も多くその他糖尿病脳梗塞などを認めたが両群で差はなかった.病識についてはA群の60.4%が「慢性肝炎」と認識しているのに対して17.2%は「肝臓病はない」または「肝臓病は治った」と認識していたEその背景因子をみるとALT 100以上の高値例や血小板数10万以下の低値例でも「肝臓病はない」と認識している症例もあった.また現在の治療内容についてはA群の55.5%が無治療でありその背景因子に関してもALT高値例や血小板低前例が含まれていた.【まとめ】今回のアンケート調査で検診を受診しているHCV-RNA陽性者の約17%がC型慢性肝炎に対する正しい知識がなくその中にはトランスアミナ一郭高値例血小板低慣例でも無治療の症例があることがわかった.検診では簡単な病状説明とかかりつけ医への定期受診を薦めているが十分なインフォームドコンセントが得られ.ていない可能性があり日々変化する病状や治療法の説明を繰り返し行う必要があると考えられた.
索引用語