セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

262 地域連携クリニカルパスを用いたC型慢性肝炎に対するIFN療法の試み

演者 安辰一(べルランド総合病院消化器内科)
共同演者 廣瀬哲(べルランド総合病院消化器内科), 大倉康志(べルランド総合病院消化器内科), 木下輝樹(べルランド総合病院消化器内科), 金川美彦(べルランド総合病院消化器内科), 大浦元(べルランド総合病院消化器内科), 高木地孝(べルランド総合病院消化器内科)
抄録 【目的】当院は病床数520の地域の中核病院であると同時に地域連携支援病院である.平成18年4月の診療報酬改定で大腿骨頸部骨折の地域連携パス加算が認められたことを契機に当院ではさまざまな疾患についての地域連携パスを作成し運用を始めた.今回はC型慢性肝炎患者に対してのIFN療法を地域連携パスを用いて導入外来followを試みたのでその効果と問題点について発表する【方法】当院のIFN療法連携パスでは導入時に当院へ入院.4週目までは当院外来でIFNRib.の投与を行う.以後当院へは4週ごとに受診し血液検査およびRib.の投与を行い連携先にて毎週IFNの注射を行うこととした.また患者データの共有化のために血液検査のスケジュールなどを一覧にしたトレースを用意患者の質問に対する応答などを準備段階の会議で検討をした.本年7月より9月末までに地域連携パスの試験運用にてIFN療法を開始した7例についてその問題点を抽出し検討を加えた.【成績】7例中2例においては連携先ではなく当院のみでfollowを希望したので連携パスから逸脱した.その理由は患者の希望と医療保険の都合であったまた残りの5例のうち3例が地域連携パスより逸脱した.その理由は希望の変更金銭面副作用がその理由であった.2例において予定のとおり連携パスにてIFN療法を行った.また連携先でのトラブルは1例も発生しなかった.【結論】地域連携パスでの逸脱例からの検討ではその理由はさまざまであることより連携パスに適応する症例かどうかをわれわれ診療するものだけではなく地域連携室といった事務側のバックアップも必要であると考えられた.しかしながC型慢性肝炎患者においてIFN療法はその一時期の治療であり長い治療経過を考えるとIFN治療を地域連携パスで行うことが以後の切れ間のない慢性肝疾患患者の診療を行う上に必要であると思われる.
索引用語