セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

265 集学的治療を行った切除不能膵癌の長期生存例における検討

演者 丸木実子(順天堂大学消化器内科)
共同演者 須山正文(順天堂大学消化器内科), 窪川良廣(順天堂大学消化器内科), 崔仁煥(順天堂大学消化器内科), 松村祐志(順天堂大学消化器内科), 加藤圭(順天堂大学消化器内科), 稲見晃一(順天堂大学消化器内科), 近森正康(順天堂大学消化器内科), 高橋靖(順天堂大学消化器内科), 安野慶(順天堂大学消化器内科)
抄録 【目的】現在切除不能膵癌に対してさまざまな治療法が試みられているが有効性を確立されている治療法はいまだ見つかっていない.今回我々は切除不能膵癌と診断され集学的治療を行い長期生存した4症例について検討した.【対象と方法】2003年1月から当科で切除不能膵癌と診断され集学的治療により2年以上生存した4症例を対象とした内訳は男性4例年齢は42歳~72歳腫瘍の占拠部位は頭部1例体部3例stage分類はIVa2例IVb2例(転移性肝癌)であった.治療はリザーバー動注化学療法3例(Gemcitablne+糊剤併用療法)全身化学療法(Gemcitabine+S-1)+放射線療法併用1例である.また全例で治療開始前に病理学的に悪性腫瘍であることを確認した【結果】治療効果(奏効率)は全例PRであった1例は診断されてから2年7ヶ月で癌死.残り3例は診断されてから2年以上経過した現在も通院化学療法を継続している.また最長はstagelVbの3年7ヶ月である.【結語】今回検討した対象は4例中3例がリザーパー動注化学療法を施行されておりリザーバー動注化学療法は抗癌剤の局所濃度を上げこれにより高い抗腫瘍効果を得られたことが長期生存につながったものと考えたしかしリザーバー動注化学療法は従来より行われている全身化学療法放射線療法と比較して手技上の困難やリザーバーの管理や閉塞時には再挿入が必要になるなどの欠点もある.今回は対象症例が少ないため切除不能膵癌に対する治療法として全身化学療法+放射線療法とリザーバー動注化学療法での有効性の比較検討を行うことは困難であった現在切除不能膵癌に対する標準的治療はGemcitabine単剤全身化学療法であるが今回の検討で切除不能膵癌に対する治療法として全身化学療法の単一治療ではなくリザーバー動注化学療法や放射線治療を併用した治療方法が長期生存例につながる治療法の一つであることが示唆された
索引用語