セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

266 局所進行切除不能膵癌における集学治療-塩酸ゲムシタビン併用化学放射線療法の検討-

演者 石原慎(藤田保健衛生大学胆・膵外科)
共同演者 堀口明彦(藤田保健衛生大学胆・膵外科), 宮川秀一(藤田保健衛生大学胆・膵外科)
抄録 【目的1か所進行切除不能膵癌に対する治療として5-FU併用化学放射線療法(CCRT)が日本および欧米のガイドラインで推奨されている.しかしその成績は生存期間中央値(MST)1α1-10.6ヶ月と満足できる成績ではない.5-FUと塩酸ゲムシタビン(GEM600mg/m2)を用いたCCRTのRCTではMSTおよび奏効率でGEMが有意に良好であった.今回我々は局所進行切除不能膵癌に対するGEM CCRTの成績を報告する.【対象】2005年1月から2007年8月に経験した膵癌84例中遠隔転移を認めない局所進行切除不能例10例を対象とした.またhistological controlとしてGEMによる全身化学療法のみを行なった6例と比較した.【方法1放射線療法は1画2Gy総量60Gy施行した.化学療法はGEM600mg/m2を週1回30分点滴3週投薬1週休薬で施行した.CCRT終了後GEM1000mg/m2週1回30分点滴3週投薬1週休配にて継続した.評価項目は奏効率無増悪生存期間生存期間50%以上の腫瘍マーカーの減少有害事象につき検討した.【結果】PR 6例SD4例で奏効率は60%であった.無増悪生存期間中央値14ヶ月.histologica1 controlとCCRTのMST及び1年2年生存率はそれぞれ12ヶ月50.0%16.6%と22ヶ月100%41.7%であり有意にCCRTが良好であった(p=O.0442)50%以上の腫瘍マーカーの減少は異常値であった9例中8例に認めうち4例は正常値となったGrade3以上の有害事象は好中球減少5例(50.0%)皮疹1例(10.0%)であった【考察】我々はGEM600mg/m2を用いCCRTを行なった.同用量を用いたGEM CCRTの奏効率は50%MSTは14.5ヶ月と報告されている.今回我々も同様の結果でありまた全身化学療法単独に比し有意に生存期間の延長を認め局所進行切除不能膵癌には有効な治療法である.
索引用語