セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 269 StageIV膵癌の治療戦略-切除不能進行膵癌Gemcitabine(GEM)+TS-1併用療法vs手術- |
演者 | 高橋正浩(岩手医大外科学講座) |
共同演者 | 川村英伸(岩手医大外科学講座), 舩渡治(岩手医大外科学講座), 武田雄一郎(岩手医大外科学講座), 星川浩一(岩手医大外科学講座), 藤田倫寛(岩手医大外科学講座), 板橋英教(岩手医大外科学講座), 新田浩幸(岩手医大外科学講座), 佐々木亮孝(筑波大学消化器外科), 若林剛(岩手医大外科学講座) |
抄録 | 【目的1丁目では切除不能進行膵癌に対してGemcitabine(GEM)+TS-1の併用療法を行っている.今回StagelVa膵癌の切除成績と比較検討しStageIVa膵癌に対する治療戦略を検討した.・【対象】1989年より2007年3月までに当教室で施行した浸潤性膵管癌の切除例は75例でStagelVaは29例であった切除例の生存率予後に関連する患者背景病理学的因子について検討した.また切除不能進行膵癌15例(StagelVa:3例StageIVb:12例)に対しGEM+TS-1併用療法を行った投与スケジュールはGEM l 1000mg/m2/dayday1815TS-1:80mg/m2dayl’・・142週休薬とした.また化学療法における奏功率毒性生存期間について検討した.【結果】StagelVa切除例の3年生存率は14.6%で、5年生存例は認めなかった.切除例の予後と関連のある臨床病理学的因子は膵前方組織浸潤:pS膵後方組織浸潤:pRP膵外神経叢浸潤:pPLリンパ節転移:pn局所癌遺残:R進行度:stageであった. GEM+TS-1併用療法の1年3年生存率はそれぞれ60.0%34.3%で7例が1年以上生存し最長38.3ヶ月生存中である.GEM+TS-1併用療法の奏功率は33.3%(5/15)で40.0%(6/15)でprolonged NCと判定され延命効果に奇与していた.症状緩和効果は66.7%(6/9)に認められた.有害事象ではGrade 3の皮疹を1例に認めた.Grade 3の白血球減少を4例に認めたが全例投与延期で治療継続可能であった.【結語】StagerVa膵癌の切除例では5年生存例がなく補助療法を検討する必要がある.GEM+TS-1はprolonged NCを含む73.3%(11/15)で効果を認め2年以上の生存が得られている例がありStagelVa膵癌に対して手術に代わる新たな治療戦略に成りうる. |
索引用語 |