セッション情報 一般演題(口演)

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270 高齢者における切除不能膵癌の治療の現況とgemcitabineの有用性

演者 片倉芳樹(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科)
共同演者 伊東文生(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科)
抄録 【目的】高齢者での切除不能膵癌治療の現況を明らかにしgemcitabine(GEM)の治療成績および有害事象について検討すること【方法】2001年4月より2007年9月置での間に当院に入院し切除不能膵癌と診断された70歳以上の抗癌治療が行われた28例(ACT群)対症療法のみの25例(BSC群)を対象に治療選択の背景因子(年齢性別stage腫瘍部位入院時PS.胸腹水の有無)と対症療法を選択された理由を検討した.ACT群の22例において初回よりGEMを用いた化学療法が行われた(≧70GEM群).≧70GEM群と70歳未満の同様の治療が行われた43例(〈70GEM群)との間で背景因子治療成績副作用について比較検討した.【結果】ACT群の平均年齢は75.7歳BSC群では8α6歳で有意にBSC群で高かった.他の因子には有意差を認めなかったBSC群における対症療法を選択された理由は家族の希望(40%)が最多で以下PS不良(32%)合併症(12%)状態の急速悪化および患者拒否(各々8%)であった.≧70GEM群とく70GEM群との間で年齢以外の背景因子に有意差を認めなかった治療成績は奏効率が≧70GEM群で13.6%〈70GEM群で7.0%CAI9-9の低下例が各々555%375%治療によりPSの維持・改善を認めた例が各々77.3%67.4%平均生存期間が各々8.6ヶ月7.4ヶ月平均非在院期間が各々62ヶ月4.6ヶ月GEMの平均投与回数が各々139回9.4回GEMの平均総:投与量が各々18.lg13.7gであり有意差は認めないものの治療成績においてはむしろ≧70GEM群の方が良好な傾向がみられた副作用は骨髄抑制が最多で≧70GEM群の86.4%〈70GEM群の69.8%に認めたNCI一・CTC grade 3以上の副作用は各々545%442%に認めた治療開始当初のレジメン通りに完遂できた例は各々4α9%349%であったいずれも有意差を認めなかった.【結論】高齢者の切除不能膵癌に対するGEMを用いた治療は副作用の発現率が若干高い傾向にあるものの若年者と同等以上の治療成績が得られ有用と考えられた.高齢者に対しても積極的にGEMを用いた化学療法を行うことを考慮すべきと思われた.
索引用語