セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

271 高齢者切除不能進行膵癌に対するGemcitabine・S-1時代の化学療法の位置づけ

演者 中井陽介(東京大学消化器内科)
共同演者 伊佐山浩通(東京大学消化器内科), 八島陽子(東京大学消化器内科), 八木岡浩(東京大学消化器内科), 木暮宏史(東京大学消化器内科), 佐々木隆(東京大学消化器内科), 伊藤由紀子(東京大学消化器内科), 有住俊彦(東京大学消化器内科), 外川修(東京大学消化器内科), 松原三郎(東京大学消化器内科), 笹平直樹(東京大学消化器内科), 平野賢二(東京大学消化器内科), 辻野武(東京大学消化器内科), 多田稔(東京大学消化器内科), 川邊隆夫(東京大学消化器内科), 小俣政男(東京大学消化器内科)
抄録 【目的】膵癌の多くは診断時切除不能であり化学療法の対象となる一方全身合併症を伴う高齢者に多いGemcitabine(GEM)に加え当科では05/2~S-1を導入06/8~保険適応となりその有効性が報告されており高齢者・切除不能進行膵癌に対するGEM・S-1による化学療法の取り組みは重要な課題である.【方法】70歳以上の高齢者・切除不能膵癌に対する化学療法非導入率(BSC率)・非導入理由の比較化学療法の安全性・有効性を01年以降当科で経験した切除不能進行膵癌143例(化学療法施行103例/BSC40例高齢群71例/非高齢群72例)を対象に検討.【結果】高齢群・非高齢群のBSC率は40.8%(29/71例)・15.3%(11/72例)BSC理由は全身状態不良11例・8例合併症5例(全例認知症)・1例(高度肺気腫)患者/家族希望13例・2例と高齢者で原疾患以外の理由を多く認めた年代別では高齢者膵癌が増加した一方BSC率低下を認めた.化学療法施行例の患者背景は高齢群・非高齢群で年齢中央値74.5歳・62歳M/F16/26 ・ 35/26PSO-1/2-333/9・54/7局所進行/遠隔転移14/28・24/37高齢群・非高齢群のProtocol(GEM単独/GEM無効後S-1/GEM+S-1併用)は31/5/6例・42/11/8例とGEM・S-1両剤使用率は26.2%・31.1%であったGrade3以上の副作用は高齢群・非高齢群で血液学的毒性19.0%・29.5%非血液学的毒性4.8%・ 82%治療成績はTTP5.2Mo ’ 4.4Mo(P=O.136)MSTI2.9Mo・9.5Mo(P=0.093)と年齢での有意差を認めずBSC群全体のMST 33Moと比較して良好であった多変量解析ではPS不良・遠隔転移が予後不良因子であり高齢群は予後不良因子ではなかった.【結論】切除不能進行膵癌に対するGEM・S-1による化学療法は安全・有効であり近年増加している高齢者膵癌でも全身状態が良好な症例では積極的に導入すべきである
索引用語