セッション情報 |
一般演題(口演)
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タイトル |
273 切除不能進行膵臓癌に対する塩酸ゲムシタビン/動注メシル酸ナファモスタット併用化学療法
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演者 |
後町武志(東京慈恵会医科大学外科学講座消化器外科) |
共同演者 |
宇和川匡(東京慈恵会医科大学外科学講座消化器外科), 広原鐘一(東京慈恵会医科大学外科学講座消化器外科), 三澤健之(東京慈恵会医科大学外科学講座消化器外科), 貞岡俊一(東京慈恵会医科大学放射線科), 矢永勝彦(東京慈恵会医科大学外科学講座消化器外科) |
抄録 |
【背景】膵臓癌中でもその約7割を占める切除不能膵癌の予後はきわめて不良である切除不能膵癌に対する治療は現状では塩酸ゲムシタビン(GEM)を標準治療薬とする化学療法であるがその成績は満足できるものではない近年GEMに対する抗癌剤耐性に関する報告は多くそのメカニズムとしてGEM誘導性のNFiC13の活性化が考えられている.われわれはNFKBインヒビターであり膵癌細胞におけるアポトーシス誘導作用を有するメシル酸ナファモスタット(NAM)がGEM誘導性のNFiC13活性を抑制しGEMに対する感受性を増強することをtransla-tional researchで確認し切除不能膵臓癌に対するNFKBをターゲットとした皮下埋め込み式リザーバーを用いたGEM/動注NAM併用化学療法の臨床第1相試験を開始した.【目的】本臨床試験の安全性と中間成績を検討.【方法と結果】GEMは通常量(1000mg/m230分で点滴)をday1815の3投1休NAM(2.4-4.8mg/kg/day)は動注リザーバーより24時間持続投与をGEMと同日に投与(3投1休)とした.現時点での登録は4例(stageIVa/IVb:1/3例膵頭部癌/膵体尾部癌:2/2例)で全例男性.1サイクル終了時でのgrade3/4の有害事象はなく全経過中でgrade 1の高カリウム血症(1例)grade 2の白血球減少2例grade3の好中球減少1例でリザーバーに関連した有害事象なし.全例生存中で平均生存期間は6.0ヶ月.経口麻薬鎮痛剤からの離脱例(2/4例)と食指不振の改善による体重増加例(2/4例)を認めた.【結語】塩酸ゲムシタビン/動注メシル酸ナファモスタット併用化学療法は切除不能進行膵臓癌に対する新しい分子標的治療として期待できる. |
索引用語 |
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