セッション情報 | 一般演題(口演) |
---|---|
タイトル | 275 高バリアンス手術である膵頭十二指腸切除クリティカルパスを定着させる工夫 |
演者 | 岡田恭穂(東北大学肝胆膵外科) |
共同演者 | 元井冬彦(東北大学肝胆膵外科), 福山尚治(東北大学肝胆膵外科), 乙供茂(東北大学肝胆膵外科), 力山敏樹(東北大学肝胆膵外科), 片寄友(東北大学肝胆膵外科), 江川新一(東北大学肝胆膵外科), 海野倫明(東北大学肝胆膵外科) |
抄録 | 難易度や合併症の頻度が高ぐ高バリアンス手術である膵頭十二指腸切除(PD)のクリティカルパスを定着させるまでの工夫について報告する.当科では肝胆膵外科疾患についてそれぞれクリティカルパスを作製する試みが1999年から見られたものの元来高バリアンス手術で合併症の頻度が比較的高く実用性を十分に発揮することができずに実際に定着するには至らなかった.実際当科の江川らが2006年に検討したPD施行症例54例の各項目(術前入院日・経口摂取日・術後入院日・全入二日)の中央値を基に概形を組み立てPD症例で合併症なく経過した3例のカルテ指示簿を基に詳細を設定してPDのバス作製と導入を行った.東北大学病院にはクリニカルパス委員会指定の病院共通フォームが存在するためその形式に合わせざるを得ず一般的なオーバービュー形式ではなく日めくり式を採用せざるを得なかった.バリアンスについてはあらかじめ10のバリアンスコードを設定し一こ口頻度で発生する膵液痕や術後糖尿病・胃内容排泄遅滞を早期に発見・修正しバリアンスに円滑に対応し極力「変動」に留め「逸脱」が少ないよう検査項目等で工夫した.またコメディカルスタッフとの会議を頻回に行い一般病棟と術後早期に過ごす集中治療室での診療システムに違いがあるためパスの形式もそれぞれの病棟に合わせたものとした.パスを円滑に導入するため通常指示簿とパスを併用して問題点を抽出する試行期間を1ヶ月設定した.パスは2007年10月目り導入された.本報告ではPDパスを円滑に導入させるための工夫について実際のパスを供覧しながら解説しパス導入後の診療上の効果についても提示したい. |
索引用語 |