セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

276 高齢の膵胆道癌患者に対する膵切除術の検討

演者 島村弘宗(国立病院機構仙台医療センター外科)
共同演者 武田和憲(国立病院機構仙台医療センター外科), 成島陽一(国立病院機構仙台医療センター外科), 石山秀一(仙台厚生病院外科), 菊地秀(国立病院機構仙台医療センター外科)
抄録 【目的】膵切除術は外科手術の中でも比較的難易度が高く侵襲の大きい術式である.しかし高齢化社会の到来とともに高齢者に膵切除術を実施することも稀ではなくなってきた.ここでは自験例をもとに高齢の膵胆道癌患者に対する膵切除術の問題点を検証する.【方法】当科に於いて2002年9月から2007年10月までの5年2カ月間に膵癌(膵管内乳頭粘液腫瘍を含む)および胆道癌と診断され膵切除術を施行した80歳以上の高齢患者を対象として手術関連事項の評価合併症の有無とPOSSUM scoreとの関係などについてretrospectiveに検討した.【結果】対象患者16名(男性10名女性6名)は平均82.4歳(最高齢88歳)であった.膵頭十二指腸切除術を10名に膵体尾部切除術を6コ口施行し何れも根治切除を得た.平均手術時間は270分平均出血量:は8265gであり4例に輸血を行った. POSSUM 30日死亡率は平均24.5%P-POSSUM在院死亡率は平均10。5%と算出されたが手術関連死亡および在院死亡は1例も認めなかった.合併症については16例中6例に膵二等を認めたが何れも保存的に軽快している.手術時間出血量心機能呼吸機能POSSUM 30日死亡率P-POSSUM在院死亡率EPASS予測死亡二等について合併症の有無で比較したが%VC以外は有意差を認めなかった.16名中6名を原病死で失ったものの4例は2年以上(最長59カ月)生存している.【まとめ】80歳以上の高齢膵胆道癌患者に対する膵切除術は手術関連死亡もなく合併症が発生してもPOSSUM score等に有意差を認めなかったことから根治切除が得られると考えられる場合は積極的に実施すべきである.
索引用語