セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

277 Stage IVb膵癌の肝転移に対するリザーバー動注化学療法

演者 松村祐志(順天堂大学消化器内科)
共同演者 須山正文(順天堂大学消化器内科), 窪川良廣(順天堂大学消化器内科), 崔仁煥(順天堂大学消化器内科), 加藤圭(順天堂大学消化器内科), 稲見晃一(順天堂大学消化器内科), 近森正康(順天堂大学消化器内科), 高橋靖(順天堂大学消化器内科), 安野慶(順天堂大学消化器内科)
抄録 【目的・背景1 Gemcitabine(以下GEM)は現在進行膵癌に対する第一選択とされているが単独投与では奏功率は10~15%程度である.stageIVb膵癌の遠隔転移に対しては有効な治療が確立されていない.今回stagelVb膵癌肝転移例に対してリザーバー動注化学療法の奏功率について報告する.【対象】2002年10月前ら2005年6月までに当科で膵癌(腺癩)の肝転移と診断された症例のうちGEM+他剤併用リザーバー動注療法を14例に施行した.年齢は43~76歳平均年齢は65.4歳男女比は7:7であった.腫瘍の占拠部位は頭部4例体部6例尾部4例また全例で治療開始前に病理学的に悪性腫瘍であることを確認した.【方法】リザーバー動注化学療法は膵周囲動脈塞栓術で血行改変術を施行し留置カテーテルを脾動脈と胃十二指腸動脈に2本留置した後GEMを用いた多剤併用療法を行った.抗腫瘍効果の判定は治療開始2ヶ月後の腹部造影CT検査で比較した.【結果】全14例中評価可能であった13例の治療効果(奏効率)はPR4例NC2例PD8例であった.MSTは9.6ヶ月で1年以上の生存を現在までに6例462%(6/13)認めた.最長の生存期間は43ヶ月で現在も外来で化学療法継続中である.腫瘍マーカー CA19-9の低下は評価可能であった9例中6例66.7%に認めた有害事象はGrade3の白血球減少血小板減少とGrade2の悪心食欲低下を認めた。【結語】切除不能の膵臓癌の治療は極めて困難であり遠隔転移を認めたStagelVb膵臓癌の1年生存率の成績は極端に悪い.今回我々は6症例に腫瘍マーカーの低下を認め6症例で1年以上の生存期聞を認めた.最長は43ヶ月後の現在も生存中である.今回我々はリザーバー動注化学療法を行い延命効果の得られる例が少なからずあることを経験した.
索引用語