セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 285 自己免疫性膵炎の長期臨床経過からみた血清IgG4の臨床的意義 |
演者 | 高野伸一(山梨大学光学医療診療部) |
共同演者 | 佐藤公(山梨大学第1内科), 門倉信(山梨大学第1内科), 末木良太(山梨大学第1内科), 三浦美香(山梨大学第1内科), 松井啓(山梨大学第1内科), 雨宮史武(山梨大学第1内科), 北村敬利(山梨大学第1内科), 山口達也(山梨大学第1内科), 植竹智義(山梨大学第1内科), 大塚博之(山梨大学第1内科), 大高雅彦(山梨大学第1内科), 榎本信幸(山梨大学第1内科) |
抄録 | 【目的】自己免疫性膵炎(AIP)は血清のIgG4値が診断上有用とされている.しかしIgG4の病態形成へのメカニズムが不明であることや病期により陽性率が異なる可能性が指摘されておりTその臨床的な有用性について不明な点も多く残されている.今回長期経過観察をし得た8例の臨床経過と血清lgG4値の推移を検討した.【方法1AIPと診断した8症例について血清IgG4値画像所見臨床症状HbAlcなどを検討した.【結果18症例の平均年齢は64.4歳(49-72)平均IgG4値は396.0(6-1295)で平均経過観察期間は44.5(10-111)ヶ月であった.検討1.膵炎の活動性・再燃との血清IgG4値相関:臨床症状および膵酵素の推移と血清IgG4値の経過から以下の4パターンに分類できた.心窩部痛や膵酵素上昇のみられた活動期にIgG4値が陽性で以後非活動期に陰性化する活動期陽性型(N=2)また活動期に血清IgG4が陽性で非活動期にも陽性が持続する陽性持続型(N=2)初診時にIgG4が陰性であったが初診より1年半後に陽性化した後期陽性化型(N=1)が存在した他は全経過を通じて血清IgG4は陰性の陰性持続型(N;3)であった.検討2.膵萎縮の進展あるいは膵切除術後の血清IgG4値の推移:血清IgG4値が経過中のいずれかの時点で陽性であった5症例について検討した.血清IgG4値の消長に関わらず画像上の膵萎縮は進行した膵癌が否定できず膵切除がなされた1例においても血清IgG4値に基本的に変化は認めなかった。後期陽性化例では初回膵炎発作で残存した非萎縮膵に膵炎の再燃が認められた検討3.膵内外分泌機能と血清IgG4値の推移:3症例で初回入院時にHbAlcの上昇を認め8例中5例(625%)で経過とともにHbAlc値の改善がみられた【結論】血清IgG4値は発症時および再燃時に病勢を反映したが発症時に陰性でその後陽性化する症例もあり診断上注意すべきと考えられた. |
索引用語 |