セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 287 多彩な病態を呈する自己免疫性膵炎 |
演者 | 吉汲宏毅(昭和大学藤が丘病院消化器内科) |
共同演者 | 小川修(昭和大学藤が丘病院消化器内科), 丸岡直隆(昭和大学藤が丘病院消化器内科), 橋本裕輔(昭和大学藤が丘病院消化器内科), 岸本有為(昭和大学藤が丘病院消化器内科), 安田宏(昭和大学藤が丘病院消化器内科), 遠藤豊(昭和大学藤が丘病院消化器内科), 井上和明(昭和大学藤が丘病院消化器内科), 与芝真彰(昭和大学藤が丘病院消化器内科) |
抄録 | (目的)自己免疫性膵炎の診断は困難な場合が多い.また多彩な画像所見病態を呈し病因についても未だ不明である.今回われわれは過去5年間経験した自己免疫性膵炎7症例について検討を行った。(方法)平成15年4月から平成19年9月までの4年6ヶ月の間に当院で診断治療した自己免疫性膵炎7症例を対象としその診断治療併存疾患について検:淫した.(結果)患者は男性5例女性2例t平均年齢64.7歳であった.初発症状は皮膚黄染が3例肝機能障害が2例腹痛が1例嘔気嘔吐が1例であった.IgG4高値であったものが3例低値であったものが4例であった.画像上膵臓全体の腫大が2例膵臓頭部の腫大が4例膵臓こう部の腫大が1例であった.全例総胆管は膵臓内で狭窄していたがスキップして膵臓外の総胆管で狭窄しているものが3例あった.併存疾患として1例で大腸癌の合併を認めた.以上から自己免疫性膵炎と確定診断したものが3例残りの4例は疑凡例として診断的治療を行ったE治療についてはt全例ステロイドを施行し自覚症状画像上改善しているステロイドを約6ヶ月間使用しその後終了としたが再発は1例のみであった.(考察)自己免疫性膵炎におけるIgG4の陽性率は80%と報告されている.今回我々の施設では陽性率は43%程度とかなり低率であった.画像上も典型的な膵臓全体のソーセージ様腫大は少なく膵臓癌と鑑別困難な限局的腫大を呈する症例が多く認められた.また組織診断では主膵管からは検体量が少なく診断困難であり癌との鑑別困難なケースではEUS下穿刺は播種の問題もあり施行しにくい.ステロイドによる診断的治療は基本的に推奨されていないがステロイドによる診断的治療を行わなければ診断困難な症例もあるのではないかと考えられる.また胆管にスキップして存在する狭窄は診断の助けになりうると考えられた. |
索引用語 |