セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 290 自己免疫性膵炎(AIP)の胆管病変に関する臨床病理学的検討 |
演者 | 西川昌志(富山県立中央病院内科) |
共同演者 | 松田耕一郎(富山県立中央病院内科), 野田八嗣(富山県立中央病院内科), 丹尾幸樹(富山県立中央病院内科), 堀井里和(富山県立中央病院内科), 平井聡(富山県立中央病院内科), 島谷明義(富山県立中央病院内科), 平松活志(富山県立中央病院内科), 松田充(富山県立中央病院内科), 荻野英朗(富山県立中央病院内科) |
抄録 | 【目的1今回我々は自己免疫性膵炎(AIP)の胆管病変に関して臨床病理学的に検討した.【対象と方法】2006年のAIP診断基準に準じ1995年から2007年6月までに当院でAIPと確幽し得た例は16例で診断時年齢は65才(52~76才)男性14例女性2例であった.胆管病変の合併の有無はERCPとMRCP所見により判断した.膵癌を疑い手術された例が16例中4例ありうち膵頭十二指腸切除された2例の胆管病変については病理組織学的に検討した.【結果および結語】胆管病変合併はAIP確診16例中10例(62.5%)と高率にみられた.胆管病変合併例と非合併例では年齢性差IgG4値には差はみられなかったが血液生化学検査において胆管病変合併例ではT-bil値7GTP値ALP値ALT値は有意な高値を呈していたし胆管病変の局在は10例中7例が肝外胆管型で2例は肝内胆管型残る1例が混合型であった.混合型の1例も含め口外胆管病変を認めた8例では全例下部胆管に病変を認めこれら8例中2例では肝門部にも病変を認めた.肝内胆管病変はPSCとは異なり数珠状変化ではなく狭気化変化が主体であった.黄疸は4例にみられ全例肝外胆管型の症例であった.膵頭十二指腸切除が施行された2例ではいずれも下部胆管病変を有し病理組織学的にはリンパ球形質細胞の著明な浸潤を伴う高度な線維化からなり胆管上皮は過形成を示していたIgG4組織免疫染色では2例とも陽性であった胆管病変を認めたAIP10例の治療に関し無治療で軽快したものが4例ステロイド投与は6例でいずれも胆管膵管病変の改善が認められたが4例ではステロイド減量中中止後に再燃が認められた.以上AIPの胆管病変に関する臨床病理学的特徴について報告した発表に際しては今回報告した16例以外にAIP疑診も含めIgG4関連疾患7例を経験しておりIgG4関連疾患全体としてみた場合のAIP胆管病変の観点からも併せて報告したい. |
索引用語 |