セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

291 自己免疫性膵炎の臨床像についての検討-原発性硬化性胆管炎との比較も含めて-

演者 宮瀬志保(NTT西日本九州病院肝臓・消化器内科)
共同演者 小野田昌弘(NTT西日本九州病院肝臓・消化器内科), 宮瀬秀一(済生会熊本病院消化器病センター), 浦田淳資(済生会熊本病院消化器病センター), 瀬戸山博子(済生会熊本病院消化器病センター), 船越禎広(済生会熊本病院消化器病センター), 緒方賢一郎(NTT西日本九州病院肝臓・消化器内科), 原岡克樹(NTT西日本九州病院肝臓・消化器内科), 多田修治(済生会熊本病院消化器病センター), 伊藤隆明(熊本大学大学院機能病理), 森下祐子(NTT西日本九州病院肝臓・消化器内科), 藤山重俊(NTT西日本九州病院肝臓・消化器内科)
抄録 【目的】自己免疫性膵炎(AIP)は硬化性胆管炎を高率に伴い胆管病変は原発性硬化性胆管炎(PSC)との鑑別が問題となる.今回AIPの臨床的特徴を明らかにしPSCと比較検討した.【方法】対象は2002年以降に診断されたAIP8例(男6女2)で年齢合併症血液・画像所見病理組織(HE・IgG4免疫染色)などの臨床像について検討した.さらに胆管像についてはMRCPERCP所見をPSC8例(男4女4)と比較した【結果】年齢はAIP 64±94歳PSC 45±16歳で有意にAIPが高く糖尿病がAIP 75%(6/8)PSC 12.5%(1/8)でAIPに多かった. AIPの垣外病変は胆管炎3例間質性腎炎2例間質性肺炎1例気管支炎2例全身リンパ節腫大1例唾液腺炎2例(重複有)だった.潰瘍性大腸炎はPSCで75%(6/8)AIPでは認めなかった. AIPは血清アルブミン3.6±0.7g/dしとPSC4.1±O.5g/dしに比しやや低く2例で初診時に黄疸を認めた.血清IgG値に差はなく血清IgG4値はAIP全例で上昇(167~2430mg/dL)していた. AIPの膵所見はびまん性膵腫大5例腫瘤状の腫大1例腫大なし1例だった.胆管像はAIPは総胆管下部の狭窄6例胆管狭窄(>2mm>1例数珠状所見1例(重複有)でPSCでは枯れ枝状所見5例数珠状所見3例胆管狭窄(く2mm)3例憩室様内腔突出1例でありAIPでは総胆管下部の狭窄PSCでは枯れ枝状所見が特徴的であった.AIPの治療は1例で膵癌との鑑別困難にて手術7例でステロイドが投与された1例はホジキン病の合併疑で化学療法後にAIPが再燃しステロイド治療となった2例でステロイド減量中に再燃した.【結論】AIPは多彩な血液学的所見や画像所見を呈しt症例によってはPSCや悪性腫瘍などとの鑑別が重要である.血清IgG4値やERCP像病理組織などを詳細に検討し総合的に診断する必要がある、
索引用語