セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 294 NASH肝病態へのレニンアンジオテンシン系の関与 |
演者 | 鍋島由宝(広島大学分子病態制御内科学) |
共同演者 | 兵庫秀幸(広島大学分子病態制御内科学), 菅野啓司(広島大学病態薬物治療学講座), 野中裕広(広島大学分子病態制御内科学), 井上基樹(広島大学分子病態制御内科学), 岩本慶子(広島大学分子病態制御内科学), 石飛朋和(広島大学分子病態制御内科学), 田妻進(広島大学病態薬物治療学講座), 茶山一彰(広島大学分子病態制御内科学) |
抄録 | 【背景・目的】近年メタボリックシンド雄山ムの消化器表現型として非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)が注目されており高血圧・高脂血症・糖尿病などを高頻度に合併することが知られているまた肝臓の炎症や線維化にはレニンアンジオテンシン系(RAS)が関与していることが多数報告されているがNA肌DにおけるRASの影響に関する基礎的研究は少ない.本研究では非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含むNAFLDの病態へのRASの関与を解明する目的でNASH動物モデルを用いてATla受容体およびACE阻害剤が肝病態に及ぼす影響について検討した.【方法】メチオニンコリン欠損食(MCD diet)および通常食(cbow diet)をATla受容体欠損マウ・ス(ATIaKO)及びC57/BL6マウス(WT)に8週間投与し各群を作製した.また薬剤投与群としてWT chow diet 8 me投与+ACE阻害剤投与群を作製した.各群の血清トランスアミナー卸値血清及び肝トリグリセライド値肝臓のPPARsやMTPの発現(real-t㎞e-PCR)肝組織(HE染色Azan-Mallory染色)の炎症・線維化・脂肪蓄積血清及び肝TBARSを比較検討した.【結果】WTにおいてはMCD diet投与にて血清トランスアミナ一己の有意な上昇を認めたがATlaKOでは血清トランスアミナーゼの上昇は有意に抑制されACE阻害剤投与群でも血清トランスアミナーゼの上昇は抑制された.MCD diet投与によりWTではPPARsの発現低下や肝臓への著明な脂肪沈着および炎症細胞浸潤を認めたがATlaKOにおいてはこれらの変化は有意に抑制された.またWTにおいてはMCD diet投与にて酸化ストレスの上昇を認めたがATlaKOでは抑制されACE阻害剤投与群で抑制傾向を認めた.【結論】本研究により肝の炎症・線維化・酸化ストレス・脂肪代謝にRASが関与しこのシグナル制御がNAFLD治療の一助となる可能性が示唆された. |
索引用語 |