セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

295 NAFLD病態形成におけるiNOS由来Nitric Oxideの意義

演者 野崎雄一(横浜市立大学医学部分子消化管内科学)
共同演者 藤田浩司(横浜市立大学医学部分子消化管内科学), 米田正人(横浜市立大学医学部分子消化管内科学), 遠藤宏樹(横浜市立大学医学部分子消化管内科学), 馬渡弘典(横浜市立大学医学部分子消化管内科学), 飯田洋(横浜市立大学医学部分子消化管内科学), 米田恭子(横浜市立大学医学部分子消化管内科学), 秋山智之(横浜市立大学医学部分子消化管内科学), 高橋宏和(横浜市立大学医学部分子消化管内科学), 廣川智(横浜市立大学医学部分子消化管内科学), 後藤歩(横浜市立大学医学部分子消化管内科学), 小林規俊(横浜市立大学医学部分子消化管内科学), 稲森正彦(横浜市立大学医学部分子消化管内科学), 桐越博之(横浜市立大学医学部分子消化管内科学), 阿部泰伸(横浜市立大学医学部分子消化管内科学), 窪田賢輔(横浜市立大学医学部分子消化管内科学), 斉藤聡(横浜市立大学医学部分子消化管内科学), 中島淳(横浜市立大学医学部分子消化管内科学)
抄録 【目的1NAFLDは酸化ストレスインスリン抵抗性エンドトキシンアディポサイトカイン等が複雑に絡み合って病態を形成しており未だ未解明な点が多くその病態解明は急務とされている種々の慢性肝疾患患者の血中NO代謝物量を比較したところNASH患者で有意に高値を示し肝病理切片のnitrotyrosine免疫染色を施行したところNAS且でのみnitrotyrosineの高発現を認めた事からNAFLD病態進展に一酸化窒素(NO)が深く関与していると考え動物モデルを用いてiNOS由来NO非存在下におけるNAFLD病態形成の変化を検:討した【方法】C57BL/6Jマウス(対照群)に長期間(60週)高脂肪食を負荷しNAFLD病態モデルを作成し同条件で育成したPtOS欠損マウスと各種パラメーターに関して比較検討を加えた.【成績】対照群は肥満脂質代謝異常インスリン抵抗性に加え高度の肝脂肪変性と微細な肝線維化を形成しヒトNASH早期の病態に類似した所見を呈したのに対しrNOS欠損モデルでは摂取カロリー体重内臓脂肪・皮下脂肪量は対照群と比して増加を示したにも関わらず1)IRS-12のチロシンリン酸化を活性化し下流のPI3K:AktGLUT4を活性化させインスリン抵抗性を著明に改善した.2)AMPKが活性化される事でAcetyl-CoA carboxylaseが抑制され脂肪酸のβ酸化が抑制された3)酸化ストレスマーカーの減少と肝細胞DNA障害の改善を認めた4)脂質詳細プvファイルを行うとVLDL合成排出能の著明な改善を認め肝脂質代謝回路の活性化を認めた.結果肝繊維化の改善に加え肝脂肪変性の消失を認めNAFLD病態の改善を認めた.【結論1多岐に渡るNAFLD病態進展因子の1経路を証明したに過ぎないが各経路を1つずつ明らかにする事が将来的には患者個々の病態に即した最良の治療選択に活用されると考えられた.
索引用語