セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 300 生体肝移植術後の非アルコール性脂肪肝の再発症例の検討 |
演者 | 原田昇(九州大学消化器総合外科) |
共同演者 | 武冨紹信(九州大学消化器総合外科), 副島雄二(九州大学消化器総合外科), 吉住朋晴(九州大学消化器総合外科), 池上徹(九州大学消化器総合外科), 山下洋市(九州大学消化器総合外科), 杉町圭史(九州大学消化器総合外科), 萱島寛人(九州大学消化器総合外科), 西原利治(高知大学医学部消化器病態学), 前原喜彦(九州大学消化器総合外科) |
抄録 | 【背景】非アルコール性脂肪性肝硬変に対する肝移植は近年注目され再発することが報告されている.【目的】原因不明の肝硬変に対する生体肝移植後に高度の非アルコール性脂肪肝を呈した症例を経験したので報告する.【症例】症例は55歳男性血液型B型で平成14年に健診にて肝機能異常を指摘された平成16年3月に肝機能障害が進行し肝生検:ERCPを施行するも確定診断には至らなかった.Child分類grade C腹水のコントロールが不良のため肝移植の適応となった術前には自己免疫疾患ウィルソン病ヘモクロマトーシスNASHを疑ったが確定診断には至らなかった.アルコール摂取は20から50才まで1日ビール350ml程度だった平成18年11月に長男28才(血液型B型)の拡大肝左葉グラフト(380g)を用いて生体肝移植を施行した.長男は術前に肝生検を施行し中等度の脂肪肝を認めたため栄養管理運動薬物投与を行った.レシピエントは術後耐油能異常を認め低アルブミン血症腹水症を認めたため肝生検を施行した(術後330日後)ところ高度の脂肪肝を認めた血液生化学検査上Hb 8.8g/dlAlb 2.4g/dlTBil O、6 mg/dlAST 45 U/LALT 28U/LTcho1115mg/dであった.レシピエント/ドナーのアポA-1アポA-2アポBアポC-2アポE蛋白(mg/dl)はそれぞれ105/13726/2741/571.5/0.124/2.03.6/4.1であった.肝生検上高度の脂肪肝grade2の壊死炎症所見及びgrade3の線維化所見を認め家族性低リボ蛋白血症と診断した.治療として低蛋白低脂質の食事療法と運動指導を行いt血中Alb 3.6g/〔ilと改善し浮腫改善肝エコー上脂肪肝の改善傾向を認めた.【まとめ】原因不明の肝硬変に対する生体肝移植後に高度の非アルコール性脂肪肝を呈した症例を経験した.家族性低リボ蛋白血症と診断し遺伝子解析を施行したがアポ蛋白の異常は認めなかった. |
索引用語 |