セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 301 NAFLDの線維化進行度別予後 |
演者 | 橋爪洋明(六合温泉医療センター内科) |
共同演者 | 佐藤賢(群馬大学病態制御内科), 市川武(群馬大学病態制御内科), 柿崎暁(群馬大学病態制御内科), 片貝堅志(伊勢崎市民病院内科), 高木均(群馬大学病態制御内科), 森昌朋(群馬大学病態制御内科) |
抄録 | 【目的】Nonalcoholic fatty liver disease(NAFLD)はメタボリックシンドロームの肝臓での表現型として近年注目されておりそれは同時に二心血管系イベント発生のリスクを伴うと考えられる.NAFLDはいわゆる単純性脂肪肝とNonalcohotic steatohe-patitis(NAS且)からなりこの中には線維化の軽度のものから進行した肝硬変まで含まれ非常に病態の幅が広い.特に線維化進行例では肝不全への進行や肝癌の発生が問題となっているそこで我々はNASH症例を線維化軽度群(F12)と線維化高度群(F34)とで群別し脳心血管系イベントを含めた予後を前向きに比較検討した.【方法】2001年から2005年までに当科で病理組織学的にNASHと診断された症例71例のうちNASH診断時において癌合併の既往あるいは脳心血管疾患の既往のない年齢・性別・BMIをマッチさせた線維化軽度群16例(以下A群)と線維化高度群16例(以下B群)において予後を前向きに比較検討した.経過中は糖尿病高血圧の治療が優先され全例でHbAlc<7.1%収縮期血圧く140mmHg拡張期血圧く90mmHgが達成されていた.【結果】A群(年齢中央値65歳平均年齢64.1歳女性86%平均BMI27.7F1:6例F2:10例)では観察期間中央値36.5ヶ月で肝癌の発癌・肝不全への進行はなく死亡例もなかった.また脳心血管イベント発生もなかった.B群(年齢中央値68歳平均年Va 63.4歳女性87.5%平均BMI28.1F3:6例F4:10例)では観察期間中央値32ヶ月で肝癌2例12.6%肝不全1例63%脳心血管イベント発症は1例6.3%(脳梗塞)であった.死亡例2例12.6%のうち1例が肝不全死でありもう1例はこの脳梗塞症例であった.両群間(A/B)で糖尿病合併率は44%/63%高血圧合併率は56%/63%空腹時血糖HbAlc値のいずれにおいても統計学上有意差を認めなかった【結論】NASH線維化高度症例では肝癌や肝不全の他に脳心血管系イベントの発症にも注意する必要があると考えられた |
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