セッション情報 |
一般演題(口演)
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タイトル |
304 デキストラン硫酸ナトリウム誘発大腸炎モデルマウスに対する漢方薬の効果
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演者 |
及川哲郎(北里研究所東洋医学総合研究所) |
共同演者 |
遠藤真理(北里研究所東洋医学総合研究所), 羽鳥務(東邦大学大森病院病院病理科), 花輪壽彦(北里研究所東洋医学総合研究所) |
抄録 |
【目的】潰瘍性大腸炎に対する漢方薬の有効性をモデルマウスを用いて検討した報告は少ない.本研究ではBALB/cマウスにデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)で誘発させた潰瘍性大腸炎モデルを用い潰瘍性大腸炎で使用される漢方薬の有効性を検討した。【方法】潰瘍性大腸炎モデルマウスは7週齢の雄性BALB/cマウスに5%のDSSを7日間自由飲水にて投与し作製した.DSSの投与開始より1日1回7処方の漢方薬を経口投与し連日の体重変化を観察した.8日目に全大腸を摘出し大腸全長を測定した.また大腸の炎症に対する効果をミエロパーオキシダーゼ(MPO)活性便潜血反応及びヘマトキシリン・エオジン(HE)染色による病理組織学的検討にて評価した.MPO活性は大腸ホモジナイズに基質をインキュベートし比色法を用いて測定した.便潜血反応は糞便中に含まれる赤血球シュードパーオキシダーゼを基質とインキュベートし比色法にて測定した.【成績】今回検討した7処方のうち黄連解毒湯半夏潟心肝柴門湯の3処方はDSSにより誘発される大腸炎に伴う体重減少大腸全長の短縮を有意に抑制し病理組織学的には好中球浸潤炎症細胞浸潤および貫生の脱落を抑制した.【結論】DSS誘発大腸炎モデルマウスに対して有効性を示した黄連解毒湯をはじめとする漢方薬はいずれも臨床的に潰瘍性大腸炎患者に用いる機会のある処方である.このことから漢方薬の薬効評価に本実験系を応用できる可能性が示唆された. |
索引用語 |
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