セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

305 L.caseiシロタ株の抗炎症作用を利用したマウスcolitis-associated-cancer抑制効果の解析

演者
共同演者
抄録 【目的】Co距s-associated-cancer(CAC)は大腸炎からの発癌過程を解析するのに優れたモデルである我々は既に腸粘膜における几6トランスシグナリングを介した兀6/Stat3経路の活性化が腸炎発症に極めて重要であること(1)当社発酵乳に用いられているL.easeiシロタ株(LcS)の細胞壁構成多糖体であるpolysaccharide-peptidoglycan-complex-1(PSPG-1)がLcSの炎症細胞からの皿6産生抑制に重要な役割を果たしていることを報告した.本研究ではマウスCACモデルを用いてLcSの抗CAC作用の検討を行った【方法】LCACモデルの作製:BALB/cマウスにDSS投与(7日間)とDSS休止(7日間)を9サイクル繰り返した2LcSの抗CAC作用の解析:CAC誘導中LcS(1.0×1(PcfU)を週5日間経ロゾンデにて投与した.対照群にはPSPG-1欠損L.αasei株(LCd・1tapspel)又は生理食塩水を投与した.3.サイトカイン応答の解析:結直腸粘膜におけるサイトカインmRNA(IL6TNFaIL10SOCS3)をqRT-PCR法で定量した.また同領域における転写因子(StatlStat3SHP-2NFkBp38MAPK)のリン酸化状態を解析した.免疫組織化学法によりCD4CDIlbIL6Rα鎖gplSO及びSOCS3の局在を解析した【結果】CAC粘膜ではCDIIb+IL6陽性細胞の浸潤が顕著でありリン酸化Stat3の発現も増大した.本モデルのCAC発症率は60-80%であった.生食水投与群のCAC発症率は約60%であったのに対しLcS投与群のCAC発症率は10%以下に抑制された.一方LCd・1-tdiSPG’1株投与によるCAC抑制は観察されなかった。またLcS投与群ではマウスあたりのCAC個数も対照群に対して有意に減少した. LcS投与群の結直腸粘膜では生食水投与またはLCdelt・PsP(}1株投与群に比べIL6及びSOCS3 mRNAが減少していた.【結論】以上よりLcSが炎症粘膜におけるIL6シグナルの活性化を阻害することによりCAC発症抑制に寄与する可能性が推察された.
索引用語