セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 307 NC/NgaマウスへのNSAID投与による新規回腸炎モデル |
演者 | 岡田義清(防衛医科大学校内科) |
共同演者 | 都築義和(防衛医科大学校内科), 穂苅量太(防衛医科大学校内科), 加藤真吾(埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科), 竹林晃一(防衛医科大学校内科), 松永久幸(防衛医科大学校内科), 高本俊介(防衛医科大学校内科), 渡辺知佳子(防衛医科大学校内科), 栗原千枝(防衛医科大学校内科), 川口淳(防衛医科大学校光学医療診療部), 永尾重昭(防衛医科大学校光学医療診療部), 伊藤和郎(防衛医科大学校内科), 三浦総一郎(防衛医科大学校内科) |
抄録 | [背景]NC/Ngaマウスはコンベンショナル環境下にて皮膚炎を自然発症する.よって本マウスはアトピー性皮膚炎モデルとして多くの検証がなされている.しかしながら腸管免疫に関する報告は少ない.我々はSPF飼育環境下においてNC/NgaマウスにNSAIDを投与し腸炎誘発への影響を検討し腸炎モデルの確立を試みた.[材料と方法]NC/NgaマウスにNSAID含有飼料を3週間投与した.腸管組織のH&E染色を実施し炎症の評価を行った.免疫組織化学では各種接着分子およびリンパ球サブセットを中心に解析を行った.また組織中より総RNAを抽出し炎症性サイトカインmRNAをリアルタイムPCR法にて定量した.さらに回腸の細菌フロ・一一ラを各種選択培地を用いて検討した[成績]NC/Nga系マウスにNSAID含有試料を投与する事で回腸に非連続性の肥厚絨毛の増長著しい重量増加および単核球浸潤が惹起された.これらの所見は空腸および大腸においては認められなかった.回腸組織の接着分子MAdCAM-1発現およびβ7陽性細胞の増加を認めた.CD4およびCD68陽性細胞数の増加も確認された.サイトカインの検討ではIL-56および13の有意なmRNA発現増加が認められTh1/Th2バランスの指標の1つであるGATA3/T-bet比はTh2側に傾いていた.さらにNSAID投与によりバクテロイデス属菌の優位な増加が認められた.以上よりNSAID投与はNC/Nga’マウスに対し回腸限局性のTh2系サイトカイン増加を特徴とする腸炎を惹起する事が明らかとなり新規回腸炎モデルへの応用が示唆された |
索引用語 |