セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

308 クローン病感受性遺伝子TL1Aの発現制御に関する検討

演者 遠藤克哉(東北大学大学院消化器病態学分野)
共同演者 木内喜孝(東北大学大学院消化器病態学分野), 荒井壮(東北大学大学院消化器病態学分野), 木村智哉(東北大学大学院消化器病態学分野), 相澤宏樹(東北大学大学院消化器病態学分野), 植木紳夫(東北大学大学院消化器病態学分野), 志賀永嗣(東北大学大学院消化器病態学分野), 松浦真樹(東北大学大学院消化器病態学分野), 角田洋一(東北大学大学院消化器病態学分野), 松村吉史(東北大学大学院消化器病態学分野), 横山大(東北大学大学院消化器病態学分野), 梅村賢(東北大学大学院消化器病態学分野), 野村栄樹(東北大学大学院消化器病態学分野), 根来健一(東北大学大学院消化器病態学分野), 相原裕之(東北大学大学院消化器病態学分野), 高橋成一(東北大学大学院消化器病態学分野), 下瀬川徹(東北大学大学院消化器病態学分野)
抄録 【背景・目的】TLIAはTh1型免疫反応を誘導するTNFSF(腫瘍壊死因子)の一つである.Crohn病(CD)炎症腸管の粘膜固有層内マクロファージでTLIAの発現が充進しているという報告に加え近年TLIA遺伝子は日本人CDの感受性遺伝子であることが報告された.今後TLIAのCD病態への関与を解明していくにあたりその発現制御について基礎的知見を得ておく必要があるが特に転写制御に関しては現在殆ど明らかにされていない.そこで今回特にLPS(Lipopolysaccharide)によってもたらされるTLIA発現充進に関与する遺伝子転写制御機構についてヒト単球系培養細胞U937を用いて解析した.【方法・結果】(1)U937細胞でLPS刺激によりTLIA mRNAの発現が特進することをRT-PCRにて確認した.(2)TLIA遺伝子5’領域断片を挿入したレポータープラスミドを構築しU937細胞に導入しレポーターアッセイを行いmRNA発現充進は転写活性二進を介していることを明らかにした.(3)TLIA遺伝子5’領域断片を順次deletionして挿入したレポータープラスミドを用いてレポーターアッセイを行いtLPSによる転写活性野守に関与する領域を絞り込み結合転写因子予測プログラムを用いた解析によりNF-kB経路が関与するものと予測した.(4)1-kappa Bctの過剰発現実験mutation as-sayを行いNF-kappa B経路の関与を示した.(5)Electrophoretic Mobil-ity Shift Assayを行いTLIA遺伝子5’領域の予測された配列へのNF-kBの結合を確認した.【結語】以上の結果はTLIAのCDへの関与を明らかにしていく上での基本的知見として重要であると考える.
索引用語