セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

312 Crohnに合併した難治性痔瘻に対するseton法の長期予後の検討

演者 杉田昭(横浜市立市民病院外科)
共同演者 小金井一隆(横浜市立市民病院外科), 木村英明(横浜市大市民総合医療センター炎症性腸疾患センター), 山田恭子(横浜市立市民病院外科), 二木了(横浜市立市民病院外科), 鬼頭文彦(横浜市立市民病院外科), 福島恒男(松島クリニック)
抄録 【目的】:Crohn病に合併した難治性苔類に対するinfliximabの有効性が報告されているがその長期経過は不明である.今回は従来より行われている難治性痔痩に対するseton法の長期経過を分析しその位置づけを検討した.【対象方法】:難治性直腸肛門病変でseton法を行なったCrohn病109例のうち初回手術から5年以上を経過した70例について予後を検討した.症例の内訳は低位筋間判痩8例坐骨直腸樺痔nc 60例単発14例多発53例(不明例あり)に平均4本のPen-rose drainを挿入するnon cuttingdrainage seton法を行った.【結果】1初回手術後30%(21/70例)に再発のため再ドレナージ術を必要としたが70%(48/70例)の症例で全てのsetonの抜去が可能であった.術後は漏便はなく肛門機能は良好で99%の症例が社会復帰した.しかし25%(18/70例)では長期にわたって直腸肛門病変の改善を維持することが困難で人工肛門造設が必要となりそのうち4例には直腸切断術を行なった(難治性直腸肛門病変2例直腸癌合併1例痔痩癌合併2例).【結語】=Crohn病に合併した難治性痔痩に対するnon cutting seton法は痔痩に対する改善率の良好で侵襲が少なく肛門機能を良好に維持することが可能であった.長期経過例では膿瘍再発や癌合併のために人工肛門造設が必要な症例が増加することから術後も肛門病変の注意深い観察により人工肛門造設の時期が遅れないように留意することがQOLの維持に必要である.
索引用語