セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

317 切除不能大腸癌に対する原発非切除化学療法の効果と安全性について

演者 大辻俊雄(健生会土庫病院内科)
共同演者 松岡正樹(健生会土庫病院内科), 更屋勉(健生会土庫病院内科), 矢持悠一(健生会土庫病院内科), 加納麻子(健生会土庫病院内科), 水島麻依子(健生会土庫病院内科), 内田秀樹(健生会奈良大腸肛門病センター), 吉川周作(健生会奈良大腸肛門病センター), 稲次直樹(健生会奈良大腸肛門病センター), 榎本泰典(奈良医大病理診断学)
抄録 【目的】従来から遠隔転移を有する切除不能大腸癌は腸閉塞・出血回避のため化学療法前に原発切除が施行されてきたが原発切除を先行しなければならないという医学的根拠は乏しい今回私共は同時性遠隔転移を有する切除不能大腸癌に対する原発非切除化学療法の効果と安全性について検討した.【対象と方法】2005年6月から2007年10月までに化学療法が施行された切除不能・再発大腸癌70例の中で原発非切除で化学療法を施行した9例中PSO-2の8例を対象とした.治療方法は全例mFOLFOX6療法を施行した.効果判定は2コースごとにCT腫瘍マーカー測定を行い適宜内視鏡検査にて原発巣の評価を行った【成績】対象は年齢58.5歳(45-76)PSO/1/2:6/1/1であった.原発部位は右側結腸/左側結腸/直腸=1/1/6肉眼型はtype1/2/3:0/4/4周在性は全周性/非全周性:1/7であった.転移臓器数は1/2/3個以上:5/2/1転移臓器は肝/遠隔リンパ節/肺/骨/腹膜(重複あり)=5/3/4/0/0腹水の有無(有/無):0/8であった.血液毒性はGrade3以上の好中球減少が3例血小板減少が1例でGrade2以上の貧血は認めなかった非血液毒性は1例において腸閉塞を認めたが一時的な経肛門的イレウス管挿入にて緊急手術は回避できた.奏効率は75%(PR 6SD 2)であり原発巣は内視鏡検査で縮小6例不変2例であり転移巣でPRと判定された症例は全例原発巣も縮小した観察期間中央値287日(106-562日)でPFSは320日MSTは未到達であった.2例において化学療法後に根治的手術が可能であり1例が根治的手術予定である【結語】遠隔転移を有する切除不能大腸癌に対する原発非切除化学療法の効果と安全性について検討した治療中に大腸内視鏡検査を行うことで安全に施行可能であった。
索引用語