セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

325 消化管浸潤をきたしたmantle cell lymphomaの9例における内視鏡像の検討

演者 岩室雅也(岡山大学消化器・肝臓・感染症内科学)
共同演者 岡田裕之(岡山大学消化器・肝臓・感染症内科学), 竹中龍太(岡山大学消化器・肝臓・感染症内科学), 河原祥朗(岡山大学消化器・肝臓・感染症内科学), 前田嘉信(岡山大学血液・腫瘍・呼吸器内科学), 品川克至(岡山大学血液・腫瘍・呼吸器内科学), 谷本光音(岡山大学血液・腫瘍・呼吸器内科学), 市村浩一(岡山大学病理・病態学), 吉野正(岡山大学病理・病態学), 山本和秀(岡山大学消化器・肝臓・感染症内科学)
抄録 【目的】Mantle cell lymphoma(MCL)はときに消化管浸潤をきたすが本邦では少数の症例報告があるのみであり内視鏡像に関する多数例の報告はない今回われわれは当院にて診断および治療を行ったMCLの消化管病変について検討したため文献的考察を加えて報告する.【方法】1999年1月~2007年10月までに消化管粘膜生検を行い組織学的にMCLと診断した9例について後方視的に評価した年齢は47~76歳(平均63歳)で全て男性であった1結果1診断時の臨床病期分類(Ann Arbor病期分類)は1例のみstage HEであり残りの8例はいずれもstage IVであった.浸潤臓器は胃4例十二指腸4例回腸4例大腸5例(重複あり)で4例は複数臓器にわたり浸潤していた.内視鏡所見による形態分類ではポリープが多発するmUltiple lymphomatous polyposis(MLP)型が6例と最多であった.その形態は、胃では巨大雛襲を呈しており十二指腸より肛側では2~3mm大の小ポリープが密在するものから10mmを越えるポリープが散在するものまで多彩であったこのほか回腸末端に孤立性の隆起をきたした隆起型が1例胃に潰瘍を形成した潰瘍型が1例胃に潰瘍疲痕やわずかに陥凹した区域性病変などを認める表在型が1例みられた治療として全例にrituximabを含む化学療法が行われた.70歳以上の3例は治療に反応せず死亡したこれに対し70歳未満の6例ではrituximab併用hyper-CVAD/MA療法が実施されたこのうち5例では自家または同種造血幹細胞移植が併用されいずれも完全寛解を得ている(観察期間12~106ヶ月).完全寛解群では内視鏡像も改善した【結論】MCLの消化管病変としては既報のごとくMLP型が多かった.十二指腸より肛側の病変は多彩な形態の隆起を呈していたが胃病変は巨大嫉襲潰瘍あるいは表在型を呈していた
索引用語