セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 329 急性上腸間膜動脈閉塞症20例の検討 |
演者 | 工藤康一(済生会熊本病院消化器病センター) |
共同演者 | 船越禎広(済生会熊本病院消化器病センター), 上原正義(済生会熊本病院消化器病センター), 今村治男(済生会熊本病院消化器病センター), 多田修治(済生会熊本病院消化器病センター), 須古博信(済生会熊本病院消化器病センター), 安田剛(済生会熊本病院画像診断センター), 金光敬一郎(済生会熊本病院外科センター) |
抄録 | 【目的】過去5年間に当院で経験した急性上腸間膜動脈閉塞症20例を検討した.【対象と方法】平均年齢68歳男女比11:9で閉塞原因は血栓塞栓症18例動脈解離2例であった.基礎疾患は心臓血管系疾患の既往が80%で心房細動は30%に認めた。症状は突然の腹痛が50%で本症を推測させるものだったが30%は嘔吐下痢など非特異的消化管症状が主体であった.発症から診断までの時間は平均268時間で診断方法は造影CT+血管造影が3例造影CTが6例単純CT+手術が10例単純CT+採血が1例であった.入院時に本症の診断がなされたのは30%で他は芋掘性イレウスなど他疾患が疑われていた治療は切除(小腸部分切除小腸広範切除+右半結腸切除)が65%保存的治療(薬物療法IVR治療)が25%無治療10%だった以上を対象とし治療内容別の予後並びに造影CTが後の治療経過に与える影響について検討した.【成績】治療成績は一次救命率80%で社会復帰率(早期死亡や短腸症候群を免れた比率)は55%であった.治療内容別では切除群と保存的治療群の診断までの時間社会復帰率は各々28.4時間と20時間(p<O.05)46.2%と80%(p<0.05)であった.造影CTで診断された群(9例)では5例で保存的治療が行えたのに対しt非造影群では全て切除が行われていた造影CT群と非造影群の診断までの時間社会復帰率は各々19.1時間と344時間(p<O.05)60%と50%(NS)であった.【結論】急性上腸間膜動脈閉塞症は症状が不定で診断に難渋する例も多く患者背景から本症を疑う事が重要である.造影CTを積極的に行えば早期診断が可能となり少なからず腸管壊死を免れ保存的治療で経過を追える例が存在する保存的治療群は切除群に比べ有意に社会復帰率が高いため本症を念頭において造影CTを早期に行い治療を開始する事が重要と考えられた. |
索引用語 |