セッション情報 | 一般演題(口演) |
---|---|
タイトル | 330 カプセル内視鏡により多彩な所見を観察し得た里吉病の一例 |
演者 | 福田芳生(鹿児島大学病院消化器内科) |
共同演者 | 藤田浩(鹿児島大学病院消化器内科), 佐々木文郷(鹿児島大学病院消化器内科), 上村修司(鹿児島大学病院消化器内科), 橋元慎一(鹿児島大学病院消化器内科), 田ノ上史郎(鹿児島大学病院消化器内科), 宮原広典(鹿児島大学病院消化器内科), 山元隆文(鹿児島大学病院消化器内科), 野妻智嗣(鹿児島大学病院神経内科), 稲森由恵(鹿児島大学病院神経内科), 岡本裕嗣(鹿児島大学病院神経内科), 有村公良(鹿児島大学病院神経内科), 坪内博仁(鹿児島大学病院消化器内科) |
抄録 | 里吉病は全身こむら返り下痢脱毛などを主訴とする極めて稀な原因不明の疾患である.今回里吉病患者にカプセル内視鏡を施行し多彩な内視鏡所見を得た.症例は24歳の女性.13歳時に当院神経内科にて里吉病の診断を受けている.慢性の下痢症状があり増悪傾向であったため小腸の精査目的でカプセル内視鏡検査を施行した.小腸はびまん性に浮腫状で比較的粗大な白色絨毛が見られ小さな半透明のポリープびらん出血斑のう胞状隆起等を認めた.一部では浮腫状絨毛の大小不同が目立ち部分的に絨毛が萎縮脱落し疎らであった以上の所見はいわゆる吸収不良症候群に類似した所見と考えられた.また上部小腸からケルクリング襲がやや肥厚し肛門側に移行するにつれ不明瞭となった.一部に腸管管腔が拡張し上部小腸付近でも残渣の貯留が目立った.以上のようにカプセル内視鏡により極めて多彩な所見を確認することができた.小腸の通過時間は3時間55分であり一般的な通過時間と比較し大きな差はなかった.カプセルは2日後に排出された.里吉病の小腸病変は造影検査により穎粒状結節状陰影いわゆる軽石状の外観を呈することが知られているがこれまでに小腸全体の特にカプセル内視鏡による内視鏡像の報告はない.今回カプセル内視鏡により小腸病変を観察した里吉病の一例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する. |
索引用語 |