セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 332 輸入サイクロスポーラ症の一例 |
演者 | 榊原祐子(大阪南医療センター消化器科) |
共同演者 | 埜中由梨(大阪南医療センター消化器科), 廣谷環(大阪南医療センター消化器科), 向井香織(大阪南医療センター消化器科), 松本健吾(大阪南医療センター消化器科), 宋昌浩(大阪南医療センター消化器科), 中西文彦(大阪南医療センター消化器科), 田中好男(大阪南医療センター消化器科), 増田栄治(大阪南医療センター消化器科), 肱岡泰三(大阪南医療センター消化器科) |
抄録 | 【緒言】サイクロスポーラ症はサイクロスポーラによる腸管寄生虫感染症である発展途上国を中心に広く分布し下痢を主症状として腹痛嘔気嘔吐を伴うことが多く旅行者下痢症や日和見感染症の病原体として重要である.わが国では本症例の報告例は少なく1996年以来12例程度であり殆どが東南アジア旅行者の症例である.今回サイクロスポーラによるインドネシア旅行者の下痢症を経験したので報告する.【症例】42歳女性.2007年3月インドネシアを旅行旅行中より水様性下痢嘔吐腹痛が出現した.帰国後も症状改善なく全身倦怠感も強いため3月22日当科来院となった.当日は便の細菌検査虫卵検査の検体を提出し整腸剤の内服にて帰宅とした.その後初診時の糞便検査によりサイクロスポーラの未熟オーシストが検出されまた培養により成熟オーシストも検出された.3月27日よりST合剤の内服開始したところ4月4日頃は便からもサイクロスポーラの検出は認めず症状も完全に消失した.初診時に実施された血液検査結果ではASTALTのみ軽度上昇を示した以外は異常なかった.【考察】今回インドネシアへの旅行にて発症したサイクロスポーラ症の1例を経験した.日本国内では今まで12例と報告は少ないが今後はAIDSなどの免疫不全患者の増加海外旅行者の増加などに伴い増加することが予想される.わが国では衛生環境が整備されており下痢症を見た場合でも原虫を含む寄生虫検査は軽視されており重篤な状態に至って初めて診断される場合が多い.サイクロスポーラ症は今後急性下痢症または旅行者下痢症のひとつとして注意する必要がある. |
索引用語 |