セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

333 後腹膜腫瘍との鑑別に苦慮したWhipple病の1例

演者 知念寛(琉球大学光学医療診療部)
共同演者 仲村光輝(琉球大学第一内科), クリステンセンめぐみ(琉球大学第一内科), 安座間欣也(琉球大学第一内科), 下地耕平(琉球大学第一内科), 田村次朗(琉球大学第一内科), 新垣伸吾(琉球大学第一内科), 小橋川ちはる(琉球大学第一内科), 井濱康(琉球大学第一内科), 城間丈二(琉球大学第一内科), 前城達次(琉球大学第一内科), 岸本一人(琉球大学光学医療診療部), 仲本学(琉球大学光学医療診療部), 平田哲生(琉球大学第一内科), 山城剛(琉球大学第一内科), 金城渚(琉球大学光学医療診療部), 外間昭(琉球大学第一内科), 山城正明(沖縄県立北部病院内科), 金城福則(琉球大学光学医療診療部), 藤田次郎(琉球大学第一内科)
抄録 【緒言】Whipple病はTr叩乃卿陥勿18’による全身感染症で本邦では極めて稀な疾患である.今回我々は傍大動脈及び腸管膜リンパ節に腫瘤性病変を呈し上部小腸にも病変を認めたWhipple病を経験したので報告する.【症例】51歳男性生来健康.平成17年頃から体重が減少し2年間で約7kgの減少を認めていた.平成19年になってから発熱や軽度の腹痛を認めるようになったため同年7月28日に近医受診腹部CTにて傍大動脈領域に不整な脂肪織の腫瘤性増生と腸間膜リンパ節の多発性の腫大を認めT精査目的に9月3日当院紹介受診となった.当院初診時の理学所見では明らかな異常は認めず血液検査ではWBC 4800/叫Hb 145g/(llALB3.191dlLDH 2491U/1CRP 2.63コ口/dlsIL-2R l562U/m1HTLV-1抗体陽性であったGaシンチ及びPET検査では空腸と傍大動脈周囲に集積を認めた.小腸内視鏡検査では十二指腸下行脚から空腸にびまん性で白色調の腫大した絨毛を認め同部位の生検病理にて粘膜層内に大型でPAS陽性CD68陽性の類円形細胞の集族が認められた.電:顕では粘膜内に0.2×2-3pm大の細菌が多数認められた.生検組織のPCRでTrophei ym‘i Whippleiの16S rRNAに特異的配列が検出されたため消化管病変についてはWhipple病と確罰したしかしながら傍大動脈と腸問膜リンパ節の病変については脂肪肉腫や悪性リンパ腫が完全には否定できないため10月11日開腹生検を施行した生検組織の解析でいずれの病変もWhipple病と確幽しえた.【結語】消化管と傍大動脈及び腸間膜リンパ節に病変を呈したWhipple病の一例を経験した.脂肪織の腫瘤性病変としては脂肪織炎や脂肪肉腫のほかに稀ではあるがWhipple病も鑑別すべき疾患であると考えられた
索引用語