セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

336 リウマチ・膠原病におけるCajal介在細胞の変化

演者 足立靖(札幌医大第一内科)
共同演者 山本博幸(札幌しらかば台病院病理), 山本元久(札幌しらかば台病院病理), 有村佳昭(札幌しらかば台病院病理), 高橋裕樹(札幌医大第一内科), 遠藤高夫(札幌医大第一内科), 石井良文(札幌医大), 加藤康夫(札幌医大第一内科), 今井浩三, 篠村恭久(札幌しらかば台病院病理)
抄録 〔目的〕膠原病に特異的な消化管病変を合併することは少ないが慢性特発性偽性腸閉塞が合併すること強皮症に消化管運動障害を伴うことが報告されている.近年Cajal介在細胞(ICC)は。-Kitを発現し消化管蠕動運動のペースメーカーであることが明らかとなってきた.消化管機能異常症のなかに。-Kit発現低下例が報告されICCと消化管運動の関連が注目されてきている.今回リウマチ・膠原病患者におけるICCの発現を検討した.〔方法〕対象は当院で治療を受け消化管病変を伴ったりウマチ・膠原病患者の剖検3例および手術3例の計5例(重複例1例を含む).対照群は膠原病および腸管病変を伴っていなかった病理解剖例の6例.腸管切片を組織学的に検討するとともにc-kitCD34S100の発現を免疫組織学的に検討した〔結果〕リウマチ・膠原病疾患の全例においてAuerbach神経節は保たれ筋層にも特記すべき変化はなかった。免疫組織学的検討では全検体でS100CD34の発現はほぼ正常であったがc一一Ntは消失もしくは著しく低下していた.対照群においては神経節は保たれSIOOCD34および。-Kitの発現は正常であった.高齢者の腸管においてもc-kitの発現は保たれており年齢による影響は考えづらかった.疾患群においてc-kitの発現量と病期自己抗体炎症の程度とは明らかな関係を見いだせなかった.よってリウマチ・膠原病で。-Kitの発現が低下している可能性があった.〔結論〕原因は特定されていないが慢性炎症自己抗体等によりc-Kitの減少・消失したことが推察された.c-kitはICCの分化・機能維持に重要な働きをしているとされている.今回検討したリウマチ・膠原病症例でCD34の発現は保たれていることからc-Kitの発現低下によりICCが変性し消化管症状を呈した可能性が考えられた.
索引用語