セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

337 骨髄移植モデルを用いた消化管運動障害の改善に関する検討

演者 石井修二(大阪大学大学院消化器内科学)
共同演者 辻晋吾(大阪大学大学院消化器内科学), 辻井正彦(大阪大学大学院消化器内科学), 近藤純平(大阪大学大学院消化器内科学), 中島佐知子(大阪大学大学院消化器内科学), 由雄敏之(大阪大学大学院消化器内科学), 新崎信一郎(大阪大学大学院消化器内科学), 柄川悟志(大阪大学大学院消化器内科学), 西田勉(大阪大学大学院消化器内科学), 垣内佳美(大阪大学大学院消化器内科学), 渡部健二(大阪大学大学院消化器内科学), 飯島英樹(大阪大学大学院消化器内科学), 林紀夫(大阪大学大学院消化器内科学)
抄録 【目的1Hirschsprung病肥厚性幽門狭窄症糖尿病などに伴う消化管運動障害にカハール間質細胞(ICC)の関与が報告されている. ICCは。-kitを発現し消化管のペースメーカーとして働くとされる.他方骨髄には多分十能を有する卵細胞が存在する.そこで。-kit変異を持ちICCsの部分欠損による消化管運動障害を有するW/W・マウスを用い骨髄移植がW/W・マウスの消化管運動障害を改善するかを検:討した【方法】W/W・マウスならびにW/W・と遺伝的背景が同じWBマウスとGFP TgマウスのF1を用いた. F1の管状骨より骨髄細胞を採取し85Gy放射線照射をしたW/W・マウスに移植したW/W・マウスの骨髄細胞をW/W・マウスに移植し対照群とした.両群の全消化管通過時間・胃排出率を測定した後消化管を三流固定し凍結切片を作成しICC特異的なAIC抗体にて免疫染色した.同様に粘膜層を剥離したWholemount標本を作成しAIC抗体にて免疫染色しICCの同定を行った.抗GFP抗体にて免疫染色した標本を免疫電顕法にて観察した.1成績】c-kit変異のないF1マウスの骨髄を移植したW/W・マウスは対照群に比べ全消化管通過時間が短く胃排出率が良好であった.凍結切片・Whole・mount標本の免疫染色においてGFP+AIC+のICCが同定でき骨髄細胞がICCsに分化する事が示された.免疫電顕法でもGFP陽性のミトコンドリア・小胞体が豊富なICCに特徴的な形態を有する細胞が確認された.【結論】消化管のICCsへ分化する骨髄由来細胞があることが確認された、W/W・マウスではICCの発達不全がその消化管運動障害の要因であるが以上の結果は消化管運動障害に対して骨髄移植が新たな治療法になる可能性を示唆すると考えられた.
索引用語