セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

349 成人T細胞性白血病(ATL)消化管浸潤の内視鏡像の検討

演者 大仁田賢(長崎大学第二内科)
共同演者 磯本一(長崎大学第二内科), 宿輪三郎(長崎大学第二内科), 山口直之(長崎大学第二内科), 石居公之(国立長崎医療センター消化器科), 西山仁(国立長崎医療センター消化器科), 福田英一郎(国立長崎医療センター消化器科), 山川正規(長崎市民病院内科), 水田陽平(長崎大学第二内科), 河野茂(長崎大学第二内科)
抄録 【目的】成人T細胞性白血病(ATL)は臓器浸潤傾向が強い悪性度の高い疾患であるが消化管にも比較的高率に浸潤を来たすことが知られている.剖検では食道・胃・小腸・大腸へのATLの浸潤頻度は各々12.7・22.4・24.6・17.9%との報告がある我々は食道胃十二指腸及び大腸の各消化管浸潤の内視鏡像を検討したので報告する.【方法1対象は上部・下部消化管内視鏡検査が施行され消化管浸潤が確認された34例(重複あり).内視鏡像は表層型潰瘍型隆起型及びびまん浸潤(巨大剣劇)型に分類した.血清HTLV-1抗体陽性で生検にて腫瘍細胞がT細胞性マーカー陽性かつB細胞性マーカー陰性の場合消化管浸潤ありと診断した.【成績】食道病変を認めたものは3例(男性3例、51-76歳平均67歳)であった.病型は急性型2例リンパ腫型1例.肉眼型は表層型1例潰瘍型1例隆起型1例であった.胃病変を認めたものは30例(男性22例女性8例40-81歳平均58歳)であった病型は急性型13例tリンパ二型17例.肉眼型は表層型6例潰瘍型6例隆起型12例びまん浸潤型3例混合型3例であった.検索しえた22田中19例(86%)でH.pylori陽性であった.十二指腸病変を認めたものは5例(男性2例女性3例42-74歳平均62歳)であった.病型は急性型3例リンパ腫型2例.肉眼型は表層型1例隆起型4例であった.大腸病変を認めたものは7例(男性4例女性3例43-78歳平均61歳)であった.病型は急性型5例リンパ腫型2例.肉眼型は表層型1例隆起型5例(うちMLP様3例)びまん浸潤型1例であった.【結謝食道・胃浸潤例は多彩な内視鏡像を呈した.また胃浸潤例はHpylori感染率が高かった.十二指腸・大腸では隆起型がほとんどでありMLP様所見を呈するなど消化管の部位により内視鏡像に相違がみられた.
索引用語