セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

350 胃浸潤を呈した急性骨髄性白血病の1例

演者 氏原正樹(名古屋第一赤十字病院消化器科)
共同演者 春田純一(名古屋第一赤十字病院消化器科), 山口丈夫(名古屋第一赤十字病院消化器科), 伊藤洋(名古屋第一赤十字病院消化器科), 伊東輝朋(名古屋第一赤十字病院消化器科), 山田恵一(名古屋第一赤十字病院消化器科), 鷲見肇(名古屋第一赤十字病院消化器科), 松下正伸(名古屋第一赤十字病院消化器科), 日下部篤彦(名古屋第一赤十字病院消化器科)
抄録 血液疾患の胃浸潤病変は主として急性リンパ性白血病や悪性リンパ腫などで認められ.急性骨髄性白血病(AML)での報告は極めて稀である.今回AMLの髄外病変として胃浸潤を呈した症例を経験したので報告する【症例】30歳男性【主訴】食思不振【家族歴・既往歴】特記事項なし【臨床経過】2001年白血球13万/Ftl(芽球96.8%)血小板3.9万/μL骨髄:有核細胞数(NCC)42.9万/叫芽球83%tASD(+)MPO(+)CD34(+)CD13(+)リゾチーム(+)染色体異常(一)であり当院血液内科でAMLと診断化学療法により寛解となった.その後再発を繰り返し2003年目2004年に非血縁病間膀帯血移植を施行した.また2006年には腰椎周囲の軟部組織に腫瘤形成があり化学療法及び放射線療法を施行され腫瘤は縮小したため経過観察となった.2007年1月頬部の腫脹及び左腋窩にも2~3cm大の腫瘤を認めた.化学療法及び頬部の病変に対し局所放射線療法を施行し再び外来にて経過観察していた.5月になり食思不振が出現し同月のPETにて上咽頭・両側頸部・蝉吟部・左厳径部・仙骨・右心・胃壁に集積があり6月に上部消化管内視鏡検査にて体上部から体下部にかけて多発する隆起性病変を認めた.病変部からの生検にて粘膜固有層にびまん性に大型芽球の浸潤を認め免疫染色にてCD34(+)でありAMLの髄外病変と診断した.その後化学療法を施行したが治療開始後24日目に脳出血による意識低下があり死亡された.【考察】AMLは3~7%の割合で髄外再発をきたす.またAMLの髄外浸潤は中枢神経系や軟部組織に多いとの報告があるが消化管への浸潤は稀である.さらに近年の移植や化学療法を中心とした白血病に対する治療の進歩により治療抵抗性となった白血病は様々な形で進展していくと考えられる【結語】本症例はAMLの胃浸潤病変を内視鏡的に捉えた興味深い1例と考えられ若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語