セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 351 腹腔内リンパ節転移を伴う胃MALTリンパ腫に対しR-CHOP療法が奏功した1例 |
演者 | 河合大介(三豊総合病院消化器内科) |
共同演者 | 豊川達也(三豊総合病院消化器内科), 安原ひさ恵(三豊総合病院消化器内科), 高原政宏(三豊総合病院消化器内科), 松本和幸(三豊総合病院消化器内科), 加地英輔(三豊総合病院消化器内科), 三宅康広(三豊総合病院消化器内科), 中津守人(三豊総合病院消化器内科), 安東正晴(三豊総合病院消化器内科) |
抄録 | 症例は57歳男性.主訴は心窩部痛と食欲不振.平成19年3月頃から上記主訴を自覚2年間で17kgの体重減少あり.上部消化管内視鏡検査を施行したところ前庭部小草に20mm大の潰瘍を伴う粘膜下腫瘤を認め壁の伸展性の低下を認めた.生検にてリンパ上皮病変(lymphoepithelial lesio皿)形成を認め浸潤細胞は免疫染色にてCD3陰性CD20陽性でMALTリンパ腫と診断した.CT検査上胃の周囲や腸管膜リンパ節など腹腔内のリンパ節が著明に腫大し場外に浸潤していると考えられた.血清H.pylori-lgG抗体は陰性でありAPI2-MALT1染色体転座は認められなかったModified Ann-Ar-bor分類皿山と考えられR-CHOPによる化学療法を計6コース行ったところ胃腫瘤および腹腔内リンパ節の著明な縮小を認めPRと判定した.経過中にカリニ肺炎の合併が認められたが現在は無症状で外来通院中であるMALTリンパ腫とH.pyloriが深く関わっていることは様々な臨床研究疫学的データにより明らかであるがH.pylori陰性の胃MALTリンパ腫も存在する.胃MALTリンパ腫の治療において除菌治療を含めた局所治療の対象は一般的には傍胃リンパ節への転移までのModdied Ann-Arbor分類1~H1期とされている.H.pylori ts性の胃リンパ腫や遠隔転移を伴う胃リンパ腫に対する標準的初期治療に関してはいまだ一定の見解が定まっていない.近年CD20抗原陽性のリンパ腫に対しキメラ型抗CD20モノクローナル抗体(ri-tuximab)を併用するR-CHOP療法がCHOP単独に比べて有効であるという報告がある.今回我々は腹腔内に広汎に浸潤していると考えられたModi一丘ed Ann-Arbor分類II2期の胃MALTリンパ腫に対しR-CHOP療法を施行し良好な効果が得られた1例を経験したので報告する. |
索引用語 |