セッション情報 |
一般演題(口演)
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タイトル |
359 高齢者早期胃癌に対する腹腔鏡(補助)下胃全摘術の有用性
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演者 |
永井英司(九州大学医学研究院臨床・腫瘍外科) |
共同演者 |
当間宏樹(九州大学医学研究院臨床・腫瘍外科), 進藤幸治(九州大学医学研究院臨床・腫瘍外科), 能城浩和(九州厚生年金病院外科), 清水周次(九州大学医学研究院臨床・腫瘍外科), 田中雅夫(九州大学医学研究院臨床・腫瘍外科) |
抄録 |
【目的1鏡視下手術はその低侵襲性から悪性腫瘍手術に対しても広く応用されている.特に高齢者の早期胃癌に対する治療においては低侵襲性と根治性のバランスが重要であり鏡視下手術の果たす役割は大きいと考えられる.今回腹腔鏡(補助)下胃全摘術の有用性につき検討した.【対象と方法】当科で1995年以降に行った早期胃癌手術症例563例を対象とした.その内胃全摘術は109例で腹腔鏡(補助)下目全摘術は37例であった.70歳以上を高齢者70歳未満を若年者として手術成績について検討した.【結果】高齢者の腹腔鏡手術例(OL)が19例開腹例(00)が29例若年者腹腔鏡下手術(YL)18例若年者開腹術(YO)43例であった.平均年齢男女比はそれぞれOしが74歳と13:600が75歳20:9Yしが57歳12:6YOが59歳30:13であった.手術時間と出血量はOしが331分目54g00が263分と410gYしが330分と50gYOが310分と60gであった.腹腔鏡(補助)下手術は開腹手術に比較して時間はかかるが出血量は有意に少なかった.排ガスまでの日数はOしが3日00が4日Yしが2日YOが4日であり術後在院日数はOしが16日00が30日Yしが17日YOが32日であった.腹腔鏡(補助)下手術で腸管運動の改善が早く在院日数の短縮が認められた.BMIによる術後半年の体重減少率はOしが10.9%00が24.9%Yしが1L1%YOが15.8%であった.高齢者開腹手術では体重減少が著しいが腹腔鏡(補助)下手術ではそれを有意に軽減できた.【結論】腹腔鏡(補助)下胃全摘手術は高齢者においても手術時間は長くかかるものの出血量が少なく有用である.また高齢者の開腹手術では腸管運動回復が遅く栄養障害も若年者に比べ強いが腹腔鏡下手術では若年者と同レベルまで栄養障害を抑制することが可能であった.早期胃癌に対する腹腔鏡(補助)下胃全摘術は勿論若年者にも有用であるが高齢者で特に有用であると考えられた. |
索引用語 |
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