セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

365 慢性肝疾患における酸化ストレスおよび抗酸化力測定の意義

演者 久保恭仁(東京慈恵会医科大学附属消化器肝臓内科)
共同演者 松岡美佳(東京慈恵会医科大学附属消化器肝臓内科), 北原拓也(東京慈恵会医科大学附属消化器肝臓内科), 吉澤海(東京慈恵会医科大学附属消化器肝臓内科), 会澤亮一(東京慈恵会医科大学附属消化器肝臓内科), 安部宏(東京慈恵会医科大学附属消化器肝臓内科), 相澤良夫(東京慈恵会医科大学附属消化器肝臓内科), 田尻久雄(東京慈恵医科大学附属病院消化器肝臓内科)
抄録 【目的】慢性C型肝炎(CHC)NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)アルコール性肝障害(ALC)などの慢性肝疾患では酸化ストレスが炎症線維化さらには発癌にも関与しているとされている.今回我々は末梢血を用いて慢性肝疾患患者における酸化ストレスと抗酸化力を測定し治療による変化についても検討した.【方法】臨床検査所見および組織学的に診断したCHC 11例NASH6例脂肪性肝疾患8例(NAFLD)ALC4例と健常者10例の安静時血清を採取しFRAS(FreeRadical Analytical System:Diacron)を用いて酸化ストレスマーカーであるReac-tive Oxygen Metabolites(dROMs)抗酸化力マーカーであるBiological Antioxi-dant Potential(BAP)を測定し健常者と慢性肝疾患群との差異治療による変化について検討した【結果】健常者ではd-ROMs230±31.6UCARRBAP 2516.0±251.8pmol/LCHCではそれぞれ2915±662U.CARR2376.4±Z51.Opmol/LNASHでは355.6±116.9U.CARR2279.6±137.1μmol/L NAFLDでは273.1±51.1 UCARR2115.8±334.3Fmol/LALCでは237.6±90、IU.CARR2275±240μmol/しでdROMsは健常者に比しNASHCHCで有意に高値であったがNAFLDALCでは有意差を認めなかった.一方BAPはNASHでやや低くNAFLDALCでは有意に僻耳であった.NASHはCHCに比しdROMは高くBAPは低い傾向であった. CHC患者全例に施行したインターフェロン(IFN)を含む抗ウイルス療法中にはd-ROMs 330.7±60.OU.CARRBAP2314.3±122.9pmol/しと両者とも高値となる傾向であった【結論】慢性肝疾患は高酸化ストレス状態にあり末梢血の抗酸化力はNAFLDALCで低下していた. CHCの抗ウイルス療法中には治療効果と関係なく酸化ストレスが増加しIFN治療は酸化ストレスを誘導する可能性が示唆された.
索引用語