セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 366 ミトコンドリア機能抑制下でのエタノール負荷が細胞骨格と細胞小器官との関係に及ぼす影響について |
演者 | 福山智基(金沢医科大学消化器機能治療学) |
共同演者 | 川原弘(金沢医科大学消化器機能治療学), 矢野博一(金沢医科大学消化器機能治療学), 尾崎一晶(金沢医科大学消化器機能治療学), 福羅匡普(金沢医科大学消化器機能治療学), 土島睦(金沢医科大学消化器機能治療学), 高瀬修二郎(金沢医科大学消化器機能治療学) |
抄録 | 【目的】アルコール性肝障害患者では血清糖蛋白の微小変異が出現するがこれには肝微小管の減少に伴うGolgi装置(GA)におけるglycosylationの障害が関与している.われわれはミトコンドリア(Mt)複合体1を阻害するrotenoneで処理した培養肝細胞では酸化ストレスの増大と肝微小管の脱重合を報告してきている.そこでこの実験系における細胞骨格と細胞小器官との関係にエタノールが及ぼす影響を検討した.【方法】ラット初代培養肝細胞を250mMエタノール処理(Et)群500nMrotenone処理(Rot)群Et+Rot群および未処理群(Cont)に分けて24時間培養した細胞骨格と細胞小器官の細胞内分布は蛍光抗体法による二重染色を行った.細胞骨格では微小管は(xtubulin抗体で中間径フィラメント(IF)はCK18抗体およびアクチン(AF)はphanoidinで染色した.細胞小器官ではMtはMn-SOD抗体でGAはmannosidase抗体で小胞体はGRP78で染色した.次に肝細胞の細胞骨格と細胞小器官の変化について微小管を脱重合させるcolchicineおよび過重合させるpaclitaxel処理の変化と比較した.【成績】Cont群での微小管は細胞中心部から辺縁に放射状に分布していたがEt+Rot群では微小管構造は消失した. Cont群のMtは網目状にGAは核周囲にネットワーク構造を形成して存在していたがEt+Rot群ではMtがドット状に変化しGAのネットワーク構造は消失した.しかし小胞体の細胞内分布およびIFとAFには変化が認められなかった.次にCol-chicine処理では微小管のネットワークは消失しMtはドット状に変化しGA構造は消失した.さらにpaclitaxel処理では微小管は蜜となってMtをドット状に変化させたがGAには変化が認められなかった.【結論】培養肝細胞をEt+Rot処理すると微小管構造の消失とともにMtのドット状変化とGAの消失が認められ肝微小管が障害されるとMtとGAの構造変化をきたすことが明らかとなった |
索引用語 |