セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

369 劇症肝炎の予後予測を目的としたクラスタリング解析

演者 中山伸朗(埼玉医科大学消化器・肝臓内科)
共同演者 稲生実枝(埼玉医科大学消化器・肝臓内科), 名越澄子(埼玉医科大学消化器・肝臓内科), 藤原研司(横浜労災病院), 持田智(埼玉医科大学消化器・肝臓内科)
抄録 【目的】劇症肝炎における肝移植適応ガイドライン(日本急性肝不全研究会)は正診率が低下しており智計省研究班ではその改変作業を進めている.従来のガイドラインを作成する過程では急性型亜急性型などの病型分類に準拠して統計作業を実施している。このため既存の病菌分類の信葱性を再評価しないとガイドラインの正命率を向上させることはできない.そこで今回は劇症肝炎LOHF症例を対象にクラスター解析を実施することで新たな計画分類が可能かどうかを検証した.【方法】厚肉省研究班の全国集計に登録された1998-2003年発症の劇症肝炎634例(急性型316例亜急性型318例)およびLOHF 68例を対象とした.昏睡II度の脳症出現時のデータに限定せず経過中の全調査項目を対象としてクラスター解析を実施した.【成績】劇症肝炎LOHFは3群に大別された.1群(50%)は急性型37%亜急性型50%LOHF 13%の比率で高齢者が多く感染症などの合併症を高率に併発しその97%が死亡した.n群(26%)の病型は夫々79%19%2%で若年者が多く合併症の発症は低率で87%は内科治療で救命された.IH群(24%)は夫々25%65%9%の比率で成因不七曲が49%を占めており合併症の発症が低率でその72%では肝移植が実施されていた.【考案と結語】劇症肝炎LOHFはクラスター分類を実施すると従来の病型分類とは異なる3群に分類された.この分類は予後を反映しているが各藩の特徴を検討すると合併症など従来の予後予測には加えられていない要因が重要であることが判明した.この新たな分類は肝移植適応ガイドラインを改変に利用できる可能性がある.
索引用語