セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

378 当院で経験した膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の他臓器癌の合併についての検討

演者 吉田志栄(神戸大学病院消化器内科)
共同演者 三木生也(神戸薬科大学医療薬学研究室), 松本逸平(神戸大学病院肝胆膵外科), 久津見弘(神戸大学病院消化器内科), 矢野嘉彦(神戸大学病院消化器内科), 森田圭紀(神戸大学病院消化器内科), 吉田優(神戸大学病院消化器内科), 瀬尾靖(神戸大学病院消化器内科), 田村孝雄(神戸大学病院消化器内科), 豊永高史(神戸大学病院消化器内科), 井口秀人(神戸大学病院消化器内科), 具英成(神戸大学病院肝胆膵外科), 東健(神戸大学病院消化器内科)
抄録 【目的】膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は画像診断の進歩および疾患概念の普及に伴い数多く診断されるようになってきた.同時にIPMNには他臓器癌の合併が多くみられるとの報告もあり注目されている.今回当院で経験したIPMNの症例について他臓器癌の合併の頻度細面その特徴について検討する.【方法】当院消化器内科肝胆膵外科で1990年1月から2007年8月までに経験したIPMN104例について検討した.そのうち手術症例は82例であり膵管内乳頭粘液性腺腫(IPMA)と診断されたものが31例膵管内乳頭粘液性腺癌(IPMC)と診断されたものが51例であった.主膵管型が34例分枝膵管型が70例であった性別は男性が66例(63.5%)女性が38例(36.5%)であった.【結果】他臓器癌の合併を認めたのは主膵管型で10症例10病変(29.4%)分枝膵管型で21症例26病変(30%)の合計31症例36病変であった(29.8%)癌種別では胃癌が17例と最も多く他に乳癌4大腸癌3肺癌3膀胱癌2前立腺癌腎細胞癌喉頭癌子宮癌甲状腺癌胆管癌縦隔腫瘍が各々1例認められた.IPMNが発見される前に他臓器癌が診断されていたものはそのうち18病変であり同時期もしくはIPMN診断後に他臓器癌が診断されたのは18病変であった.【結論】IPMNの患者では3人に1人と高頻度に他臓器癌の合併が認められた.そのうちの半数が同時もしくは診断後に発見されたIPMNの病型による他臓器癌合併の頻度に差はなかった.IPMNと診断された症例には消化管を中心とした全身のスクリーニングが必要でありその後のフォローアップにも注意を要する.
索引用語