セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

381 NASHの診断における食後TG測定の有用性

演者 麻植ホルム正之(独立行政法人労働者健康福祉機構新潟労災病院内科)
共同演者 日浦政明(産叢医科大学消化器代謝内科), 前川智(独立行政法人労働者健康福祉機構新潟労災病院内科), 森健次(独立行政法人労働者健康福祉機構新潟労災病院内科), 合志聡(独立行政法人労働者健康福祉機構新潟労災病院内科), 太幡敬洋(独立行政法人労働者健康福祉機構新潟労災病院内科), 川口誠(独立行政法人労働者健康福祉機構新潟労災病院内科病理部)
抄録 く目的〉現在我が国における非アルコール性脂肪肝炎(NASH)患者数はおよそ100万人と推測され今後も増加することが予想される.しかし総人口の30%が脂肪肝とされる中でNASH患者を絞り込むことは非常に困難であるしNASHの確定診断が組織学的にしかなされないことも問題でもある.近年食後に増加するリボ蛋白と動脈硬化発生との関連性が注目され始め食後高脂血症という新しい疾患概念が提唱されつつある血清中性脂肪(TG)の代謝において肝はその中心的役割を果たしており特に細胞内小器官であるミトコンドリアの働きが重要視されている.しかしながらNASH患者においてはクリスタリン封入体を有する巨大ミトコンドリアが出現するなど形態学的異常が認められるだけでなく呼吸鎖活性の低下つまりその機能的異常も明らかにされつつある.したがって我々はNASHの診断に経口脂肪負荷試験後の血清TG測定が有用ではないかと考えた.<対象および方法>2007年1月から10月までに肝生検で診断した一単純脂肪肝7例とNASH7例に高脂肪食を負荷し負荷前負荷後246時間の計4回血清TG血糖インスリンを測定した脂肪負荷食は総脂肪量40gr「m2(飽和脂肪酸37.9%一価不飽和脂肪酸33.3%多価不飽和脂肪酸20.6%)とした.〈結果〉患者背景では年齢トランスアミナーゼ値血糖HbAlcHOMA-IRフェリチンBMI腹囲生活習慣病の有無脂肪負荷前のTG値に両副耳で有意差は認めなかった.また脂肪負荷後の血糖インスリン値にも両群間で有意差は認めなかった.しかし脂肪負荷後のTGにおいては4時間目にのみ両雨間で有意差がみられた.<結論>NASHの診断に脂肪負荷試験が有用であると示唆された
索引用語