セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

383 坑血小板薬のNAFLD病態改善効果-NAFLD病態モデルラットを用いた検討-

演者 藤田浩司(横浜市立大学附属病院消化器内科)
共同演者 野崎雄一(横浜市立大学附属病院消化器内科), 米田正人(横浜市立大学附属病院消化器内科), 飯田洋(横浜市立大学附属病院消化器内科), 馬渡弘典(横浜市立大学附属病院消化器内科), 遠藤宏樹(横浜市立大学附属病院消化器内科), 秋山智之(横浜市立大学附属病院消化器内科), 米田恭子(横浜市立大学附属病院消化器内科), 高橋宏和(横浜市立大学附属病院消化器内科), 後藤歩(横浜市立大学附属病院消化器内科), 廣川智(横浜市立大学附属病院消化器内科), 阿部泰伸(横浜市立大学附属病院消化器内科), 稲森正彦(横浜市立大学附属病院消化器内科), 小林規俊(横浜市立大学附属病院消化器内科), 島村健(横浜市立大学附属病院消化器内科), 桐越博之(横浜市立大学附属病院消化器内科), 窪田賢輔(横浜市立大学附属病院消化器内科), 斉藤聡(横浜市立大学附属病院消化器内科), 中島淳(横浜市立大学附属病院消化器内科)
抄録 【目的】NAFLDは多因子が複雑に絡み合って病態形成進展に寄与しており薬物治療も個々の背景病態に合わせたcombination therapyが有効であると考えられ適応薬剤の拡大が望まれる.単純性脂肪肝患者とNASH患者における網羅的遺伝子解析を施した所NASH群で有意に血小板関連遺伝子の発現低下を認めた事から坑血小板薬のNAFLD改善効果の可能性を考えNAFLD病態モデル動物を用いた解析を行った【方法】6週齢Fisher344雄性ラットを使用.1)NASH類似の肝病態を反映するモデルとしてメチオニン・コリン欠乏食を12週間投与.4群のうち3群にcilostazol 100mg/kg/dayTiclopidine lOOmg/kg/dayAs-pirin 150mg/kg/dayを混餌.2)全身NAFLD病態を反映するモデルとして粗脂肪率 SC.7%のHigh Fat Dietを16週間投与2群に分け一方にのみcilostazo1100mg/kg/dayを熟語血清・病理・蛋白/mRNA発現の詳細を検討した.【結果】1)全ての薬物投与群において肝臓における脂肪化・炎症・線維化の改善をみた他血清学的にも炎症・線維化マーカーの改善をみた(P〈0.05).中でもcilosta-zol投与群で有意であった.2)cilostazol投与群で肝脂肪化の改善をみた他血清学的にも種々のメタボリックマーカーの改善をみた(P<O.05).cilostazol投与によりVEGFHGFeNOSといった血管増殖因子が活性化された他Aktから。-Rafのシグナル伝達を遮断する事でPDGFより誘導されるMAPキナーゼ活性を抑制していた事を証明した.【結論】cilostazol投与により血流保護に働き類洞内皮をはじめ臓器血流が保たれた事とMAPキナーゼ活性を抑制した事がNASH病態改善に寄与していると考えられた. NAFLD患者の脳心血管イベント発生率が高い事なども考え適応患者には積極的な坑血小板薬投与が望まれる.
索引用語