セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

385 TelmisartanのNAFLD進展抑制効果とその機序の解明

演者 工藤浩(富山大学第三内科)
共同演者 矢田豊(済生会前橋病院消化器内科), 高原照美(富山大学第三内科), 河合健吾(富山大学第三内科), 杉山敏郎(富山大学第三内科)
抄録 【目的lTelmisartan(Te1)はPPARγ活性作用を有するアンジオテンシンr[type1受容体拮抗薬(ARB)でありメタボリックシンド露出ムの改善効果が期待されている.今回脂肪性肝炎モデルにおけるTe1の病態進展抑制効果とその機序について検討した.【方法110週齢雄性C57BL/6マウスに高脂肪メチオニン・コリン欠乏食を8週間摂取させ脂肪性肝炎モデルを作製した.これを対照群としTe1群には飲水法にてTe1(10mg/kg/day)を投与した.投与4週8週後における肝組織の脂肪化(H-Eoil red O染色肝内トリグリセリド(TG)量)線維化(shrius redctSMA染色COL-1TGF一βmRNA)酸化ストレス(TBARS)を評価し肝脂肪化線維化に対するTelの効果を検討した.また内臓脂肪に対する効果を内臓脂肪重量脂肪細胞面積血中アディポネクチン(Ad)値にて検討した。さらに肝へのMφ動員を肝組織でのF4/80TNF一αMCP-1CCR2 mRNAと免疫染色にて検討した.【結果1対照群では4週で明らかな肝脂肪化8週で肝線維化を認めた.一方Tel群では4週後の肝脂肪化は抑制され肝内TG量も有意に減少した.8週では肝線維化は有意に抑制され内臓脂肪重量の減少脂肪細胞の小型化血中Ad値上昇を認めた.肝組織中のMφは対照群で著明な浸潤を認めたのに対しTe1群ではMφの浸潤は有意に抑制され肝組織でのMCP-1CCR2発現も低下していた. in vitroでもTelのMφにおけるCCR2発現抑制効果が確認された.【結論】Telの脂肪性肝炎抑制効果が確認された. TelはARBの抗線維化作用のみならず内臓脂肪の減少肝組織へのMφ浸潤抑制によりNAFLD病態進展を抑制する可能性がある.
索引用語