セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 386 当科における非アルコール性脂肪肝の治療戦略 |
演者 | 織部淳哉(大分大学第一内科) |
共同演者 | 清家正隆(大分大学第一内科), 本田浩一(大分医療センター消化器科), 井上恵(大分大学第一内科), 姫野克郎(大分大学第一内科), 高橋祐幸(大分大学第一内科), 針里栄(大分大学第一内科), 上尾哲也(大分医療センター消化器科), 加隈哲也(大分大学第一内科), 太田正之(大分大学第一外科), 北野正剛(大分大学第一外科), 吉松博信(大分大学第一内科) |
抄録 | 【目的】非アルコール性脂肪性肝障害(NAFLD)は肥満と密接な関連があり治療には体重制御が推奨されている.それには生活習慣(食行動)の是正が最も重要であり長期的に根気強く治療を継続することが必要となる.我々は行動療法であるグラフ化体重日記を中心に体重制御を行いさらに薬物療法や外科的介入も行っておりその総合的治療戦略について示す.【対象と方法】当科と当科関連施設において病歴や肝生検により診断されたNAFLD59例(年齢中央値56歳男性23例女性36例)を対象とした.肝臓専門医により全症例にグラフ化体重日記を導入して定期的に経過観察を行い体重の推移ALTへの効果体重日記の中断率について調べた.尚体重減量が困難である症例には薬物療法を併用しさらに当院第一外科にて内視鏡的治療(胃内バルーン留置療法)を施行された例を対象にその治療効果について検討した.【成績】グラフ化体重日記を継続中(3ヶ月以上)の症例は32例(55%)自己中断症例は22例(37%)経過が良好で中断した症例は5例(8%)であり継続期間の中央値は21ヶ月であった.体重日記により減量効果のあった症例は32例(64%)体重不変症例は15例(30%)体重増加症例は3例(6%)であった.体重減量に成功した症例ではALTは改善傾向にあり不変増加例では有意な改善はなかった.長期観察NASH例においては組織学的な改善も認められた.体重制御がうまくいかなかった場合は薬物療法を追加しピオグリタゾンビタミンEエイコサペンタエン酸を用いたが体重増加例には不十分であった.また、胃内バルーン留置療法を施行された症例は治療中は肝機能の改善が見られたがその後再燃が認められた.【結論】NAFLDの治療にはまず体重制御を中心に薬物療法外科的介入を含めた集学的な治療が有用である. |
索引用語 |