セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

390 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の栄養療法における体内成分測定の有用性

演者 原なぎさ(三重大学栄養指導管理室)
共同演者 岩田加壽子(三重大学栄養指導管理室), 杉本龍亮(三重大学消化器内科学), 田中秀明(三重大学消化器内科学), 藤田尚己(三重大学消化器内科学), 岩佐元雄(三重大学消化器内科学), 小林由直(三重大学消化器内科学), 竹井謙之(三重大学消化器内科学)
抄録 【目的】非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の栄養療法としては肥満例が多いことから減量が基本となるが食事療法を継続しても体重が思うように減少しない場合が少なくないまたBMIが正常域内の症例もしばしば経験され栄養指標として何を用いるか判断に迷う.そこでNAFLD患者の栄養指導時に体内成分を測定しその有用性を検討した.【方法】栄養指導継続中のNAFLD患者22名(男性14名女性8名)を対象に体内成分分析装置(InBody720)を用いて体脂肪心内臓脂肪断面積(VFA)骨格筋量を経時的に測定した治療食として鉄量6mg/日以下エネルギー30kcal/kg/日タンパク質1.1~12g/kg/日脂肪エネルギー比率20%の指導を行い適宜運動療法を併用した血液検査としてALTフェリチン値の測定を行った.【結果】BMIは25.7→25.5→25.5→255→25.6(OM→3M→6M→9M→12M)であり有意な変動はなかった.体脂肪率は31.2→29.9→30.2→312→30.5(%)でありOM→3Mの間に有意差(P<O.OO1)を認めたVFAは131→123→123→129→126(cm2)と減少しOM→3Mの間は有意(P〈O.OOI)に低下した.骨格筋量は258→26.1→26.0→25.6→26.0(kg)でありOM→3Mで有意(P<O.05)に上昇しその後維持された.ALT値は51→46→51.4→47.8→40.3(IU/1)と低下傾向9M→12Mでは有意差(P<O.05)がみられた.またフェリチン値についてはOM→3Mで265→223(ng/ml)と有意(P<α05)に低下していた.【まとめ】NAFLDでは栄養療法によりALTフェリチン値などの検:査値の改善と並行し体脂肪量・VFAの減少が認められ骨格筋量は維持されていた.NAFLDの栄養療法施行時には体重測定のみではなく体内成分をモニターすることが重要と考えられた.
索引用語