抄録 |
(背景)原発性胆汁性肝硬変(PBC)では障害胆管でのTLRHLA class llCD40の発現元進を認め標的となる胆管での自然免疫獲得免疫の関与が今まで報告されている今回生体肝移植時の摘出肝より胆管上皮細胞を継代培養し.HLA classllCD40の発現やTLRリガンドで刺激した際のケモカインの発現にPBCと対照で差があるかを解析した.(材料と方法)7例のPBCならびに8例の対照となる非代償性肝硬変での摘出肝より既報の通り胆管上皮細胞株を樹立した.TLR肌A classHCD40CD80CD86の発現はRT-PCR法で確認し肌A class∬CD40の発現についてはGAPDHの発現との差で比較を行った. TLRりかンド刺激後48時間後の培養上清を回収してCXCLICXCL5CXCL6CXCL8CCL3CCL4CCL5CXCL10といったケモカインの発現をELISAで確認した.(結果)胆管上皮細胞はTLR2345の発現肌A class nCD40の発現を認めた.これらの発現にPBCと対照で差は認めなかった.CD80CDeeの発現は認めなかった.またTLR3リガンドで刺激した際にのみHLA class nCD40の発現充腹を認めた.しかし刺激後の発現においてPBCと対照で差は認めなかった.胆管上皮細胞は炎症性ケモカインであるCXCL1CXCL5CXCL6CXCL8を恒常的に産生していた.この産生にPBCと対照で差は認めなかった.胆管上皮細胞はTLR3リガンドで刺激した際にのみThl誘導ケモカインであるCCL3CCL4CCL5CXCLIOを産生した.しかしこの産生にもPBCと対照で差は認めなかった.(考察)胆管上皮細胞は元来炎症を惹起しやすい環境にあることが推察されたここにTLR3からの刺激が入ると表面マーカーの発現充進やTh1誘導のケモカインが産生されることからTh1反応が起き易い免疫環境になることが示唆された.しかしこれらの反応にPBCと対照で差がないことから胆管上皮細胞は標的細胞とはなりえるが自己免疫疾患としての鍵は標的細胞である胆管上皮細胞側にはなく攻撃する側の細胞が担っている事が示唆された. |