セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

395 原発性胆汁性肝硬変と自己免疫性肝炎のoverlap症例における病態治療予後の検討

演者 横川順子(福島県立医科大学内科学第二講座)
共同演者 斉藤広信(福島県立医科大学内科学第二講座), 菅野有紀子(福島県立医科大学内科学第二講座), 本間史子(福島県立医科大学内科学第二講座), 物江恭子(福島県立医科大学内科学第二講座), 坂本夏美(福島県立医科大学内科学第二講座), 阿部和道(福島県立医科大学内科学第二講座), 高橋敦史(福島県立医科大学内科学第二講座), 入澤篤志(福島県立医科大学内科学第二講座), 大平弘正(福島県立医科大学内科学第二講座)
抄録 【目的】原発性胆汁性肝硬変(PBC)と自己免疫性肝炎(AIH)のover-1ap症例は臨床的に少なからず存在するがその概念・病態・治療について一定の見解が得られていない.今回我々はPBC-AIH overlap症例についてPBCArH単独症例との臨床的差異治療長期予後を検討した.【方法】1990年から2007年までにPBC診断基準(厚生省難治性の肝炎調査研究班)AIH国際診断基準スコアで診断された219症例を対象とした.両方の診断基準を満たす16症例をPBC-A正【overlapと診断しTPBC単独症例(n;130)AIH単独症例(n=73)と比較検討した.【結果】PBC-Am overlap 16症例は6例がPBC経過中のAIHの発症10例が同時発症であった.14例が女性で平均年齢は55.9±92歳であった.Overlap発症時点でALTALP7GTPTBIgG抗核抗体力価抗平滑筋抗体陽性率(57%)はPBC単独症例に比べいずれも有意に上昇し(P<005)抗ミトコンドリア抗体は全例陽性HLA-DR4は70%で陽性であった.またAm単独症例に比べALPYGTPが有意に上昇していた(P<0.05).組織学的には全例に胆管炎像inter-face hepatitisが認められた.13症例はUrsodeoxychoric acid(UDCA)とprednisolone(PSL)の併用治療に反応し12年までの観察期間で全例生存している.一方UDCAまたはPSLのいずれかで治療を受けた3症例は2人が肝不全死1人が肝硬変へ進展した.【結論】PBC-A】:Hoverlap症例はPBCとAIHの両面の臨床像を併せ持ち疾患独立性については今後も検討する必要があるが診断早期からPSL+UDCAを使用することが予後改善に寄与すると考えられた
索引用語