セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

401 HBc抗体陽性ドナーからの肝移植後に発症したde novo hepatitis B(DNHB)に対しラミブジンの投与により肝炎の沈静化及びHBs抗体の陽転化が得られた2症例

演者 石津洋二(名古屋大学消化器内科学)
共同演者 石上雅敏(名古屋大学消化器内科学), 清水潤一(名古屋大学消化器内科学), 土居崎正雄(名古屋大学消化器内科学), 葛谷貞二(名古屋大学消化器内科学), 舘佳彦(名古屋大学消化器内科学), 西野正路(名古屋大学消化器内科学), 岩田浩史(名古屋大学消化器内科学), 森井正哉(名古屋大学消化器内科学), 本多隆(名古屋大学消化器内科学), 林和彦(名古屋大学消化器内科学), 片野義明(名古屋大学消化器内科学), 木内哲也(名古屋大学内分泌・移植外科学), 後藤秀実(名古屋大学消化器内科学)
抄録 【はじめに1HBs抗原陰性・HBc抗体陽性ドナーからの肝移植後にドナー肝由来HBV移行によりDNHBが生じる事がある.今回我々はDNHBに対しラミブジン投与により肝炎の沈静化・HBV-DNAの陰性化・HBs抗体の陽転化が得られた2症例を経験したので報告する.【症例1132歳女性.胆道閉鎖症に対しH11年母親(HBc抗体陽性)から生体肝移植を受けたHBIgによる予防治療を行ったがコンプイライアンス不良のためH16年2月にHBs抗体が消失しHBs抗原が陽転化6月に急性肝炎発症SNMC投与にて経過観察しll月にHBe抗体陽転化を認めたがHBV-DNAは持続陽性. H17年2月肝生検にてAIF2と慢性肝炎の所見を認めたため早期の線維化の進行を危惧し3月目りラミプジン開始肝炎は改善し8月にHBs抗原陰性化.H18年1月よりHBs抗体持続陽性を認めたため4月にラミブジン中止.現在まで肝炎の再燃は認めず.【症例2】56歳男性C型肝硬変肝癌にて当院通院移植前はHBs抗原・田3c抗体陰性H16年12月海外にて肝移植を受け以後当院にて継続治療.移植後HBs抗体陽性・HBc抗体陽性となり血液製剤による移行抗体も疑ったがH17年8月にHBs抗体の陰性化と共にHBs抗原陽転化しHBV-DNAも検出.肝障害も出現しDNHBと考えラミブジン開始. H18年1月よりHBs抗体持続陽性を認めたため2月にラミプジン中止.現在まで肝炎の再燃は認めず.【結論】DNHBにおいては免疫抑制下による慢性化・早期の線維化進行・FCHなどの問題がある.一方でHBVに対する免疫反応が通常のHBVキャリアと違い核酸アナログ投与によりHBVに対する免疫を活性化させHBs抗体陽転化を十分期待できる.以上から今後DNHBに対し積極的に核酸アナログ使用すべきと考えられた
索引用語