セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

403 敗血症性ショックを合併した肝膿瘍に対しエンドトキシン吸着療法が有効であった2例

演者 森良幸(国保日高総合病院第一内科)
共同演者 留置辰治(国保日高総合病院第一内科), 前田義政(国保日高総合病院第一内科), 井畑裕三子(国保日高総合病院第一内科), 西川泉(国保日高総合病院第一内科), 松中秀之(国保日高総合病院第一内科), 東克彦(国保日高総合病院第一内科), 玉井秀幸(和歌山県立医科大学第二内科), 岡政志(和歌山県立医科大学第二内科), 一瀬雅夫(和歌山県立医科大学第二内科)
抄録 【目的】肝膿瘍の原因菌はグラム陰性菌が主体であり時として重篤な敗血症性ショックとなり死にいたる.今回われわれは敗血症性ショックを合併した肝膿瘍に対しエンドトキシン吸着療法(PMX-DHP)を施行し救命しえた2例を経験したので報告する.【症例1】61歳男性.発熱を主訴に当科に入院した.身体所見にて右上腹部圧痛と血液検査で高度の炎症所見とトランスアミナーゼの上昇を認め腹部超音波検査で肝S7に40mm大の境界不明瞭な二信号領域を認め肝膿瘍と診断した.入院直後にショックとなり経皮経肝膿瘍ドレナージ(PTAD)の施行および昇圧剤と抗生剤の投与を行ったが循環動態は安定せずPMX-DHPを施行した.施行後より循環動態は安定し第20忌日にCRPは陰性化した.【症例2】80歳女性.全身倦怠感食欲不振を主訴に当科に入院した.身体所見で右上腹部圧痛および血液検査で高度の炎症所見とトランスアミナーゼの上昇を認め腹部造影CT検査で晶晶葉に径11cm大の辺縁が造影される多房性腫瘤を認め肝膿瘍と診断した.PTADの施行および抗生剤の投与を行ったがショックとなりPMX-DHPを施行した.施行後より循環動態は安定し第26病日にはCRPは陰性化した.【考察】肝膿瘍は時として敗血症性ショックを合併し経皮的ドレナージおよび抗生剤・昇圧剤の投与を行うにも関わらず死に至る重篤な疾患である.本症例ではPMX-DHPを施行することによりショックから早期に離脱し救命できた.敗血性ショックの合併が疑われる肝膿瘍に対しPMX-DHPが有効であった.
索引用語