セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

404 集学的治療(TAEHAI及びMCN)が奏功した巨大肝細胞癌の4例

演者 龍知記(国立病院機構九州医療センター肝臓病センター肝胆膵外科)
共同演者 高見裕子(国立病院機構九州医療センター肝臓病センター肝胆膵外科), 和田幸之(国立病院機構九州医療センター肝臓病センター肝胆膵外科), 河野修三(国立病院機構九州医療センター肝臓病センター肝胆膵外科), 才津秀樹(国立病院機構九州医療センター肝臓病センター肝胆膵外科)
抄録 解剖学的あるいは肝機能的に切除困難であった巨大肝細胞癌(以下HCC)に対し肝動脈塞栓術(TAE)肝動注療法(HAI)及びマイクロ波凝固壊死療法(MCN)を併用した集学的治療が有用であった4例を報告する.【症例1】67才男性。【現病歴1近医にて慢性B型肝炎で経過観察中平成14年8月腹部超音波検:査(US)で昭島葉を占拠する11cmの巨大肝腫瘤を指摘され当科紹介【治療経過1肝予備力は良好(LiverDamage A)であるが腫瘍が門脈温温と左枝の分岐部に接するように存在したために肝切除は不可能と判断しTAEを3回に分け施行したところ腫瘍径は7cmと縮小.11月より肝動注用リザーバーを留置しCDDP+5FUによるHAIを開始. CDDP5mg+5FU250mg/dayを2週投与1週休薬で2クール施行した後は週1回のCDDPIOmg+5FU500mg/weekに切り替えたところPIVKA-2は正常化腫瘍径は次第に縮小造影効果も認めなくなったために平成15年9月にてHAIを中止し外来にて経過観察とした.平成17年3月治療部辺縁に20mm大をはじめ5個の再発及びS6に8mmの肝内転移を認めMCNを施行.以後外来にて経過観察.平成19年2月MCN部近傍に9mmの再発及びS6に19mm大の2ヵ所に再発を認め再度MCNを施行.平成19年10月現在初回治療より5年3ヶ月経過しているが無再発生存中である.症例1を含めた4例の平均はそれぞれ腫瘍径83mm腫瘍個数1.5個手術までに要した期間23.5ヶ月手術時の腫瘍径22.8mm手術までの腫瘍径の縮小率は695%で集学的治療により4例とも現在無再発生存中である.【まとめ】外科治療が困難な症例でもTAIHAIを併用し局所治療を可能にすることによって長期生存を得られることが示唆された.
索引用語